-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
最高経営責任者 マーガレット・フリン様へ
組合413支部とわが社との契約は、6月18日に期限切れとなります。それ故、我々は交渉の準備をする必要があると思います(交渉は8週間後に始まるスケジュールになっています)。過去3年間に何が起きたのか、また、将来、ヒルトップ社が何をしようとしているのかを検討してみるのに、今がよい時期だと思います。
あなたは、これまで常に食品事業にあっては、変化するということが一番大切だと言い続けてこられました。しかし、前回契約を交わしてから、ヒルトップで起きた変化のスピードを、だれが予測できたでしょうか。1985年に、我々の店舗では60~70種類の青果を提供してきました。しかし、今日我々は200種類の青果を提供しています。この中には、我々のだれもが予測することができなかったほどの規模でつくられているサラダ・バーにある商品や、店内の焼き立てのパン類や新鮮なシーフード、調理済み商品は、含まれていません。1985年には、14店舗あった店の6店舗にスキャナーが設置されていました。今日では、全店のレジがスキャナーに転換されています。
また、スペース・マネジメントのため、あるいは新製品を評価するために、DPP(直接利益)システムの実験を行っています。DPPは今後さらにオートメ化することを要求するでしょうし、我々のコンピュータの使い方に関して、より注意深い管理やメンテナンスを要求することでしょう。
要するに、我々は新しい技術や新しい対面の売り場あるいはマーケティング・プログラムなどに何十万ドルというお金を費やしてきました。これらはすべて新しい客を店に呼び込むためです。我々は売上高も将来大々的に伸びるであろうという理論に基づいて、大きな投資を行っているのです。実際、投資の採算がとれるためには売上高は伸びなければなりません。しかし、これらのすべての変化は我々の従業員に新しい要求をしています。そして、それが大きな問題となっています。彼らは新しい要求についていけない状況にあります。
我々のお客は、常に品質や鮮度、品揃え、価格という点では高い点数をくれています。しかし、サービスという面で、我々はひどく攻撃されています。調査によれば、我々の従業員の動作は鈍く、不親切で、一般的に新製品の知識が乏しいということが示されています。店はあまり清潔でなく、店内の陳列棚はごちゃごちゃになっています。もしもサラダ・バーの入れ物の半分がカラになっていたならば、それは何の役に立つでしょう。店内で焼いたばかりのパンであっても、カウンターの後ろにだれもいなかったら、だれが買うことができるでしょう。これまで常に我々の店舗の中で最もよい店舗であったブルーヒルズ・アベニュー店やシゴーニー・ストリート店でさえも、客の苦情がますます多くなってきていると報告しています。
ここで私に率直な意見を述べさせてください。我々がここで当社の人事戦略をつくり直さなかったならば、我々の企業戦略はうまくいかないと思います。よい人材を見つけて、彼らを保持していくことがいかに難しいかということをあえてあなたに話す必要はないでしょう。昨年度、退職率は70%を超えました。町の外から通ってきている従業員が朝のバスに乗り遅れたときは、常に店の事務員やキャッシャーの中で大混乱が起きています。そして、ほとんど毎朝、だれかがバスに乗り遅れているのです。実際、高校生では対面売り場で仕事はできません。そして、この対面売り場こそ、我々が人間を最も必要としている場所なのです。そして、最もすばらしい人材は、数カ月で会社を去っていっているようです。マクドナルドで1時間7ドルもらえるときに、ヒルトップでだれが食料品を袋詰めするでしょうか。夜間の商品補充は惨憺たる状況になっています。私は朝、まず第1にやることとして、何店舗かの店の中を歩いてみることにしていますが、それらの店舗の中は戦場のようです。
問題は組合員である一般従業員にとどまりません。私は昨年、映画館でレイ・パレントーに偶然出会いました。あなたがどう思っているか知りませんが、私に言わせれば、レイは当社の最もすばらしい店長の1人です。彼は4年前にシゴーニー・ストリート店の店長になりました。以来、すばらしい業績を上げてきています。
しかし、その彼が私に次のように語りました。「私は生まれて初めて、朝働きに行きたくないと思うようになりました」と。我々が抱えている問題を考えたとき、私は彼を批判すべきだとは言えません。私はレイのことを心配しています。もしも我々が一般従業員をどんどん退社させていくような状況をつくったならば、マネジャーが辞めていく状況をつくり上げると思います。そうなれば、大変重大な問題を抱えることになるでしょう。
競争力を維持していくためには、人件費を削減するだけでは十分ではありません。そのようなやり方は過去のやり方です。現在、我々にとって鍵となるのは、生産性を上げるということです。そうすることが、たとえより多くの賃金を支払う、ということを意味してもです。
いずれにせよ、恐らく我々はより多くの賃金を支払わなくてはならなくなるでしょう。私は組合413支部がホームスタイル・スーパーマーケッツとプライズとの間に取り交わした新しい契約のコピーを今手に入れたところです。平均の賃金の上昇は、向こう3年の間に13%上げるということになっています。その上、組合側は福利厚生の分野でも会社側の負担増を勝ち取っています。



