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社外のアドバイザーや専門家――会計士、弁護士、銀行家、広告代理店、その他会社の競争力を高める手助けをする人びと――をいかに活用するかに関心が集まっている。
かつて日本や韓国、台湾、香港はガラクタの輸出国であった。また大気汚染防止法、ERISA(従業員退職所得保証法)、401(K)計画、OSHA(職業安全衛生管理局)などはなかった。コンピュータは大企業しか使っていなかった。会計士や銀行家、弁護士などが頭を悩ますことがらは会社の損益にはたいした影響がなく、税金を支払う段になって初めて公認会計士を呼ぶことになる。また、ある契約の法律的影響の説明を求めて(締結後のことさえあるだろう)、顧問弁護士を呼ぶことになる。当時を振り返ってみれば、製品や金融市場の変化のペースは、怠惰な専門家でもついていける程度に緩やかだったのである。
いまではすべてが異なっている。わずか10年前に比べても、小企業の環境はさらに激しい競争と混乱の状態のなかにある。失敗の機会が増え、しかも失敗の結果ははるかに深刻である。新しく配送センターを建設するために購入した土地区画のおかげで、弁護士があらかじめ有毒廃棄物がないかどうかテストすべきだと警告しないと、あなたは5000万ドルの訴訟という罠に陥ることになる。コンピュータ・システムについてのコンサルタントの誤った助言は、あなたの事業全体を混乱におとしいれ、会社の競争力を危うくする。
問題は、あなたの世界の変化とともにアドバイザーや専門家の世界も変化し、タイムリーで的確な助言――資源に乏しい小企業にとって常に得がたいものである――を得ることが以前に比べてたいへん困難になっていることである。
競争は、効率や資源の追求のなかで会計や法律などの、かつては安定性が高かった職業を、合併や再編成の波に巻き込んでいる。経費の増大によって、企業は利益の大きい短期型のコンサルティングを求める志向を強めているが、こうしたコンサルティングは、ときに長期的な関係づくりとあいいれない短期型のコンサルティングを好む。複雑な法律や規制(そして無数のニッチ市場の存在)のために、アドバイザーにとって、企業が、こんにち直面している広範な諸問題を深く知ることが困難になっている。
このような環境のなかで、企業はある事業の初めから終りまで、すべてを知っている1人の会計士、あるいはすべてを知っている1人の銀行家をもつことができるという意見は、ノーマン・ロックウェルが描く絵と同様に風変わりである。経験の教えるところによれば、"すべてを知っている"というアドバイザーは実際にあなたを助けられるほどには知っているわけではない。また、いずれにせよ手遅れになってからしか依頼されないので、あなたの会社の不必要なリスク負担を防ぐことはできないのだ。
われわれは、社外のアドバイザーとのあいだに新しい関係を創造することを提案する。コンサルティングというプロセスの主体者となるために、2つの一見矛盾するようなことを実行しなければならない。最善のアドバイザー――必要に応じた専門家――を見つけ出し、しかも彼らをこれまでよりも完全に、より早い段階で参加させることである。同時に、彼らの資格と提案に対してはもっと懐疑的でなければならない。このプロセスを一貫して結びつけるものは、あなたの知識と態度であり、あなたが使おうとする資源である。あなたはこれまで以上に働かなければならないであろうし、より多くの資金を費やさなければならないかもしれない。しかし、それは、結局、時間と金を節約することになる。
専門家のネットワーク
経営は常にリスクを管理することである。成功した企業家は変化する環境のなかで賭率を狭めるのに役立てようとして機会と危険について、たえず自らを教育している。
あなたは多くの本を読まねばならないし、業界の内外に幅広い友人のネットワークをつくって、その友人たちが特殊な問題をどのように処理したのか、どんな専門家を使っているのか、彼らの成功と失敗はどのようなものかといったことについて、電話して、たずねるようにしなければならない。そうすることによって、実際に自分に問題がふりかかる前に、基礎的な体験を多く見聞して、役に立たないサービス供給者を排除することができる。
しかし、こんにちでは、最善のアドバイスを得るためには、友人や仲間とのネットワークづくり、あるいは古くからのなじみのアドバイザーに頼るだけではすまされない。それには専門家が必要である。病気の場合、風邪ならば一般開業医に行けばすむが、腎臓病なら泌尿器科専門医に行かなければならないし、脳腫瘍なら神経外科専門医に行かなければならない。



