これは、世界的な著名リーダー――ただし企業ではなく国家を指導した――との本誌インタビュー・シリーズの第4回目である。各指導者たちは、考え方の質、責任感、マネジメントのスタイルなど、リーダーシップの内実については異なった面を示している。個々人は資質的に相異を示しているが、それは一面では、彼らが仕事をした時代を反映するものでもあり、また一面では、世界最大かつ最も複雑な組織を運営するに当たって各人が持ち込んだ価値とアプローチがいかなるものであったかを示すものでもある。

 1979年、ジミー・カーター――農民、ビジネスマンにして海軍士官、ジョージア州選出上院議員にして同州知事、著作家にして教会リーダー――は、米国大統領に選ばれた。大衆の心にウォーターゲート事件の記憶がまだ生なましかった当時、カーター大統領は、政府の誠実さ、高潔さということを叫んで、選挙民にアピールした――つまり、米国のリーダーの導きとなる基本的諸価値の必要を訴えたのだった。

 在任中に、カーター大統領は、国家的エネルギー政策、運輸産業・銀行に対する規制緩和、行政事務の改革を含め、長期的・包括的な立法課題の推進役を成功裡に果たした。また、エジプト・イスラエル間の歴史的な和平合意をまとめあげ、中国との外交関係を確立し、SALTⅡ条約を締結し、パナマ運河条約の批准を得た。カーター政権の期間中に、米国は、インフレをあおった石油輸出禁止と、イランにおける米国人人質という試練を受けた。この2つの出来事は、いずれも外部の諸力に対し米国が脆弱化したとの感情を米国人に起こさせることとなった。