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全国に2300超の店舗を展開するスギ薬局グループがDXを加速させている。外部委託中心の体制から内製化へと舵を切るとともに、DX人材の育成に注力。その取り組みの中核に位置するのが、新たに導入した「サービス型チーム」である。スギ薬局のDXをリードする取締役DX・AI推進本部 本部長兼CDOの各務茂雄氏とDX・AI推進本部 DX管理部プロセスオフィス課 課長兼デジタルエクスペリエンス部UI/UX課 課長の宇野真史氏、その取り組みにパートナーとして伴走するPwCコンサルティングのディレクターの鈴木直氏、マネージャーの森本崇恭氏が語り合った。
外部委託中心の体制からの脱却、内製化でDXを加速する
鈴木 DXは近年の重要な経営テーマです。スギ薬局がDXに取り組む理由、背景などをお聞かせください。
各務 少子高齢化や人口減少、技術動向などの環境変化にいかに対応するか、あるいは先取りするか。そのためには既存のビジネスモデルを見直し、不断にアップデートする必要があります。労働人口が減少に向かう時代、店舗と人員を増やしながら事業成長を目指すという方法は現実的ではありません。DXの推進によって、リソースの効率的な活用をさらに促進する必要があります。
取締役
DX・AI推進本部 本部長
兼CDO
各務茂雄氏
鈴木 これまでのDX推進の方針と、DXの歩みはどのようなものだったのでしょうか。
各務 当社はドラッグストア・調剤薬局事業を中心としたビジネスであることに変わりはありませんが、そこにデジタルの付加価値を乗せ、積み重ねていくというアプローチを取っています。私たちはDXを通じて事業の成長だけでなく、「社員の時間当たりの生産性を最大化し、お客様・患者様と社員の幸福を循環させること」を目指しています。たとえば、顧客接点を担う「スギ薬局アプリ」のダウンロード数は1400万を突破し、お客様の声を聞きながら現在も進化を続けています。また、店舗の従業員に配布した端末「デジタルコミュニケーション台帳」には、お客様の購入履歴などが表示され、商品のレコメンドなどパーソナライズされた接客情報を提供しています。需要予測、発注の自動化、粗利計算など、バックエンド業務の生産性向上にも取り組んでいます。
宇野 当社がDX戦略本部を立ち上げたのは約5年前。以来、さまざまなDX施策に取り組んできました。なかでも大きいのが、外部委託中心の体制からの脱却です。外部委託中心の体制は部分最適に陥りやすく、全体最適の視点が入りにくい。私たちは内製化への舵を切り、DXの現場をリードする人材を積極的に採用しました。そして、店舗や業務など現場の声を聞き、できるだけ現場に近いところで意思決定する仕組みづくりを進めました。結果として、意思決定の質とスピードが向上したと考えています。