データドリブン経営の高度化を目指して
鈴木 ビジネスの意思決定やオペレーションの改善、さらにはサービス型チームの効果的な運用において、データによる状態の可視化やデータに基づく意思決定が重要になると思います。データの活用については、どのようにお考えでしょうか。
各務 データドリブン経営の高度化を目指して、データ基盤やデータ連携の仕組みづくりを進めています。誰もが同じ情報にアクセスすることで、意思決定の質とスピードが高まるだけでなく、チーム間の連携もスムーズになります。
宇野 これは具体策の一例ですが、DX施策に関わるすべての情報をWikiツールに集約し、全メンバーが共有できる環境を整備しました。その過程でデータの標準化が進み、DX活動全体の透明性が高まっています。
各務 AI時代、差別化のポイントは現場の体験だと思います。各社員が店舗や業務の中で見たこと、感じたことが重要です。構造化データ/非構造化データを問わず、その体験をできるだけデジタル化して共有し、AIなども活用しながら知恵を生み出す。そのためには、Wikiツールをはじめとするさまざまなシステムから提供されるデータが欠かせません。
鈴木 現場の体験をデータとして蓄積し、活用していくためには、社員一人ひとりのデジタルリテラシーの向上も不可欠だと考えます。人材育成の面では、どのような取り組みをされていますか。
各務 人事部門と協力して、DX人材の育成に注力しています。全員がAIやデジタルを使いこなせる状態を目指していますが、求められるレベルはさまざまです。何段階かのスキルレベルを明確に定義し、個々の社員にとってほどよいストレッチゴールを設定できるように工夫をしています。サービス型チームは小さな組織ですが、最小単位は個人です。個々の社員には自分自身をサービスと捉え、その役割を言語化するよう求めています。それにより、上司らの周囲は個人の仕事に対して、適切なフィードバックができます。それは、本人の成長と自律的な働き方につながると思います。
鈴木 かつてITは、業務効率化やコスト削減のための手段にすぎませんでした。しかし、いまやITはビジネスモデルの創出や顧客体験の向上を左右する、企業の競争力そのものです。この大きな転換の中で、テクノロジーの刷新だけでは十分とはいえません。ITを取り巻く組織のあり方やオペレーティングモデル、さらにはそれを支える人材の育成に至るまで、一体となって変革していくことが求められています。スギ薬局の取り組みは、その先行的な事例だと思います(図表2)。最後に、スギ薬局におけるDXの今後についてお尋ねします。
図表2 データドリブン経営・サービス型チーム・DX人材育成の連動
各務 DX人材の強化は今後とも重要ですし、AI活用にも注力します。これまで、お客様・患者様に向き合う店舗のサポートを中心にDXを推進してきましたが、2026年度以降はグループ各社と連携し、経営基盤強化に向けたDXに取り組んでいきます。それにより、本部社員の可処分時間を増やし、さらに強力に現場をサポートする体制を整備します。PwCコンサルティングによる伴走支援には大いに期待しています。
鈴木 PwCコンサルティングはDX2.0がスタートした前後からスギ薬局の取り組みを支援しています。当社メンバーもサービス型チームのメンバーの一員として、ダイナミックな変革を目の当たりにしてきました。また、その経験を通じて、多くの学びを得ています。スギ薬局の挑戦を、今後とも全力で支えていきたいと思っています。
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