企業は情報技術をキーとして、競争優位性を維持することができるが、それには何の秘密もない。しかし情報サービス(Information Services, IS)が現在多くの企業でみられる程度の機能しか果たさない――というよりも十分に機能していない――とすれば、コンピュータのキーで競争へのドアを開けることはできない。トップ・マネジャーは、コンピュータ部門を、スタッフ機能のなかで最後に残された非効率的な部門と考えている。トップ・マネジャーの不満は、ISが遅々として進まず、非効率的だということだけでなく、費用がかかり、かつ社内ユーザーの要求に応えていないということにある。

 企業はISに戦略的目標を達成させるためには、ISを自社の生産的部分として扱うべきである。そのための最善の方法は、ISを企業内企業、フレキシブルな予算と自らのサービスに対する体系的な価格をもつプロフィット・センターとして運用することである。すでにISシステムをプロフィット・センター化している企業では、めざましい成果をあげている。すなわち、経営トップの不満は大幅に少なくなり、期待どおりの効率化が実現されている。組織上の足かせがはずされれば、ISは戦略的な目標を支援できるし、実際は支援しているのである。

 多くのマネジャーは、プロフィット・センターの考え方にあからさまに疑問を呈している。彼らは依然として、ISについて、経営資源に貢献するものではなく、それを浪費するものと考えている。こうした考えをもつマネジャーは、コンピュータ部門が会計部門の一組織であった時代の考え方にとらわれているのである。

 この時代には、コンピュータ部門は、固定予算をもつコスト・センターとして扱われ、収益を生むことを期待されてはいなかった。したがって多くのマネジャーは、コンピュータ部門を、間接部門の一部、会社の厄介ものと片付けてしまった。

 企業がISを統制し、管理する方法については、さまざまな見方があるが、その全体像がわかれば、プロフィット・センター概念の重要性を理解する助けになる。両極端の考え方の1つは、ISは会社の1スタッフ機能にすぎないものであり、その戦略的重要性はゼロであるというものである。また逆の一方に、ISは、1事業部門あるいは事業単位として管理され、会社の戦略計画に統合されているという見方がある。

 古典的な集中型コンピュータ部門は、間接部門概念に完全に包摂される。適用業務、プライオリティー、技術的課題解決についての意思決定がトップだけで行なわれる企業においては、この考え方がとられる。ISは、ユーザーに費用割当て(費用配賦)をしないが、費用を公表して各ユーザーに使用額の大きさを意識させることはある。

 ビューロクラティックな統制が行なわれている場合には、ISマネジャーとISサービスのユーザーは、適用業務から予算まですべての事項についての意思決定を共同で行なう。この場合一般的には、運営委員会方式がとられる。ISは、固定予算をもち定型化されたサービスを行なうセンターとして運営される。ここでは、費用配賦はコスト計算上の問題であって、価格設定の問題でない。

 プロフィット・センター部門は、これとは異なる。予算は可変的である。このセンターは、ユーザーに対して一定の価格でサービスを売る。ユーザーは、コンピュータの利用と技術の選択に関する意思決定に、大部分の責任をもつ。

 私は、以上3つの考え方を、コスト配賦のしかたに応じて8つのレベルに分割した。レベルⅠとⅡは集中型であり、レベルⅢからⅥまではビューロクラティック型、レベルⅦとⅧはプロフィット・センター型である。各考え方は、それぞれに利点と欠点をもっている。

 本稿の最初のセクションは、この8つのレベルとそれぞれの違いを詳細に論じている。2番目のセクションは、プロフィット・センターの考え方について、懐疑論的経営者層から多く発せられる疑問に答えている。