-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
重要な人事の意思決定に
採用のエキスパートが関わり始めた
Cスイート職を勝ち取ろうとするなら、多くのさまざまなステークホルダーを味方につける必要がある。取締役会メンバー、(現職または退任予定の)CEO、同僚となる経営幹部に加えて、顧客や株主などの外部関係者も人事に関与するかもしれない。一方で、候補者全員が──たとえ社内の候補者であったとしても──いずれ対面すると想定しなければならないゲートキーパーは他にもいる。次第に影響力を強める、プロのリクルーターや人材アセスメント企業だ。
筆者らは経営幹部のコーチングや企業へのコンサルティングという仕事を通して、こうしたアドバイザーの起用が急増する現状を目の当たりにしてきた。それは次期CEOを探す場合だけではない。中堅企業から大企業まで、マーケティング、オペレーション、テクノロジー、ピープルマネジメントなどの部門トップを選ぶ場合にも当てはまる。このレベルの職位候補者はいまや、待ち構える少数の外部エキスパート軍団に強みや弱点を追及され、成功する可能性を値踏みされると思っていて間違いはない。
具体的には、コーン・フェリー、エゴンゼンダー、ラッセル・レイノルズ・アソシエイツ、スペンサースチュアート、ハイドリック・アンド・ストラグルズなど、有力人材サーチ会社の担当者の場合もあれば、アセス・インターナショナル、ホーガン・アセスメンツ、DDI、ghSMART、RHRインターナショナル、MDAリーダーシップ、YSCコンサルティング(現在はアクセンチュア傘下)、マーサーなどの人材アセスメントに特化した企業の担当者の場合もあるだろう。
こうした人材アセスメント担当者の中に、あなたが目指す職務の経験者はいたとしてもほんのわずかだ。しかし彼らは、数百に及ぶテストや面接を行い、ベストプラクティスについて研究し、社会科学に基づくフレームワークを適用する。
企業が彼らの起用を拡大しているのは、人事に関する最も重要な意思決定に本能的な直観や先入観を持ち込まず、データドリブンの分析に基づいたものにするためだ。そのため、好むと好まざるとにかかわらず、これらの企業はあなたが目の前のサーチ案件で指名されるかどうかについて強い影響力を持つ。そればかりか、将来のキャリア機会をも左右し、他の幹部職候補にあなたを押し上げるか、あるいは外すかの決定にも関わることになる。なぜなら、これらの企業は多数のクライアント企業の候補者選定とリーダーシップパイプライン構築の両方に関わっているからだ。
こうした外部の採用エキスパート(および他の採用プロセス関係者)から高評価を得るため、筆者らは5つの重要な方法で準備することをお勧めする。(1)成長志向のマインドセットを採用する、(2)大胆なビジョンをまとめたメモを用意する、(3)ありとあらゆるアセスメントを見越す、(4)面接に向けて深く掘り下げる、そして(5)説得力のあるリファレンス先を揃える、である。
成長志向のマインドセットを採用する
あなたの担当業務に精通してもいない人たちから、何種類ものテストや面接を受けなければならないと思えば、無性にわずらわしくなるだろう。例えるなら、バットを握ったこともないコーチから何時間も打撃について指導を受ける野球選手のようなものだ。
筆者らがぜひとも勧めたいのは、より前向きなマインドセットに切り替え、このプロセスはキャリア戦略に役立つ個別セッションだと考えることだ。たとえ目指す役職に就けなかったとしても、次の機会にチャンスを勝ち取るためのヒントを得られるからである。
リクルーターに向き合う準備を整えれば、個人のGTM(go to market)プランを策定し、アセスメントから知見を導き出すだけでなく、自分がリーダーシップを発揮した経験について熟考して面接で詳しく説明し、リファレンスの依頼先から参考になるフィードバックを受ける機会を得られる。このプロセスでは、必ずと言っていいほど目から鱗が落ちる。他者からどう見られているか、自分とはどういう人間かについて候補者が理解を深める手掛かりとなるのだ。
クアルコムのCEO、クリスティアーノ・アモンが述べている通り、たとえ最有力候補であってもスキルを磨かなければならない。また、人材サーチの専門家に厳しく評価されれば、結果はどうあれ、注目すべき点が明らかになる。



