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AI活用の成否を左右する2つの重要な要素
2018年、2つの巨大グローバル企業が、製品設計や市場投入方法の刷新を目指してAIの利用に乗り出した。
ゼネラルモーターズ(GM)は、オートデスク「フュージョン360」のジェネレーティブデザイン機能を使って、目立たないが非常に重要な部品であるシートブラケットを再設計した。AIは、まるで自然が生み出したかと思わせる軽やかな骨格構造を生成した。従来の部品と比べると、その重量は40%軽く、強度は20%高かった。
しかし、この部品が生産ラインに載ることはなかった。なぜだろうか。GMのサプライチェーンや製造システムはプレス鋼板を前提に構築されていたため、AIが生成した複雑な形状に対応できなかったのだ。製造システムの設備の入れ替えには何年もかかる可能性があり、イノベーションは頓挫してしまった。
時を同じくして、アップルはメタレンズの実験を開始した。これは超薄型でAIに最適化された部品として従来のカメラレンズを代替しうるものであり、機械学習、材料科学、そして半導体製造テクノロジーの統合が必要だった。
アップルはわずか2年の間に何十件もの特許を出願しており、まずはiPad Pro、続いてiPhone17の各モデルで、この画期的なテクノロジーをフェイスIDのセンサーに搭載する計画だと噂された(本稿執筆時点)。GMとは異なり、アップルは大胆なアイデアだけでなく、それを実行するシステムを持っていたのだ。
この2つのストーリーは、AIに関する重要な真実を捉えている。つまり、AIに何ができ、何ができないかが常に問題になるわけではない。むしろ、リーダーが達成したいことと、現実的にバリューチェーン、オペレーティングモデル、テクノロジースタックが対応できることとの間に生じるずれが、問題になることのほうが多い。
このような問題は、広く蔓延している。カーニーとフューチュラム・グループの調査[注1]によると、円滑なAI導入を妨げる主な障壁として、部門横断的な整合性が欠けている点を指摘する企業は全体の62%、ワークフローを調整する必要性を挙げる企業は63%に上る。全社的なAI導入に向けて完全に準備ができていると思うと答えたCEOは、わずか25%だった。
残念なことに、この件については、アップルよりもGMに近い状況にある企業が圧倒的多数である。AI施策の多くが具体的な成果を生み出せていないことをさまざまな研究が示唆している。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの調査[注2]によると、2025年にAI施策の過半数を断念した企業は、全体の42%(2024年の17%から増加)に上り、平均して概念実証(PoC)の46%が本稼働に至らなかった。
さらに、AI企業のライターが1600人の経営者および従業員を対象に実施した最近の調査[注3]によると、年間100万ドル超をAIに投資している組織が73%を占めるにもかかわらず、そうした投資によって顕著なROI(投資利益率)を達成している組織はわずか3分の1に留まった。



