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われわれはコングロマリット時代第2期に突入しようとしている。アメリカの多くの大企業が、1970年代末に不採算事業の整理を完了し、今再び合併や買収により事業の多角化に乗り出している。ネッスルのカーネーション株式買い付け、アメリカン・スタンダードのトレイン取得、あるいはチャンピオン・インターナショナルによるセント・レジス買収に見られるごとく、自社の能力を戦略的に補完・拡大する資産買収熱が高まっている。
しかしながら、事業再編成はすませたものの、これらの企業は1960年代の終わりから1970年代初めにかけて、コングロマリットが経験した同じ問題――各種の異なる事業がかかえるさまざまな戦略的要請をいかに満足させるか、もっと正確にいえば、どの事業計画に資金を回すかをいかに決定するかという問題――に直面している。
これらの企業のほとんどが本社とスタッフ機能を徹底的に縮小し、分権化に走っていることが大きな障害となっている。本社スタッフの少数精鋭化という過去の成功事例にとらわれたスタッフ体制では、相反する諸要求を効果的に満たすには不十分なのかもしれない。
経営管理の理論家たちは、この問題の対応策をいくつか提唱しているが、彼らの理論を実地に適用することは簡単なことではない。本稿で著者は、アメリカン・キャンのあるマネジャー・グループが、同社の資本配分法を各種事業のニーズに合致させる現代的システムを開発したいきさつを説明している。
アメリカン・キャンは、1970年代末には過剰能力から収益性の低下で沈滞していたが、次第に各方面の事業から、いろいろな形での資金需要が増加してきた。
どの戦略にどれだけの資金を回すかを決定することは、それまではマネジメントの普通の任務でしかなかったが、これが互いに競合する資金需要がせめぎ合うようになった1980年代初頭には、最重要な課題となった。
・メタル缶事業では、鉛溶接シームを廃止し、製造の生産性を向上させるため、ひっきりなしに設備購入資金を要求してきた。
・デキシーの使い捨てコップ事業は、競合他社のプラスチック容器進出に対抗する必要があった。
・ねり歯みがき用プラスチック・チューブ事業は、新規の設備拡張を必要としていた。
・ミュージックランドのレコード小売店チェーンは、店舗用地の拡大が必要なうえに娯楽製品の品揃え拡大を計画していた。



