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多くの企業が、技術のみでは自社の情報システムの成功を保証しえないことに気づきはじめている。実際のところ、コンピュータ応用技術の利用可能性が大きく膨らんでくるにつれて、多くの企業では、それに適応していくのが次第に困難になってきており、なかには、すでに取り残される企業も出てきている。この厳しい現実は、熟練した人材の不足傾向の増大によって、さらに複雑なものとなっている。
著者の主張するところによれば、このような深刻な問題によって、コンピュータ・システムはもちろんのこと、ときには企業の存続そのものが危険にさらされることになる。幹部経営者は、自社のコンピュータ資源を再評価し、また場合によってはコンピュータ資源を再編成するために、自社の情報システムに緊密なかかわりをもつようにしていかなければならない。
著者は、情報システムに応急手当てを施し、長期間にわたって維持していくための方法をいくつか詳細に論じている。これらの方法は、情報システムが存続の危機に陥ることを避けるのに役立つはずである。
今は、コンピュータ部門にとって最もよい時期のはずである。米国で設置されるコンピュータ能力は年率30%以上の伸びで増加しており、大手企業や先進企業では、それ以上の速度で伸びている。新しい適用業務への要求も増加しているが、その速度はますます速くなっている。米国製品の品質の向上が改めて強調されており、それとともに生ずる製造、輸送、サービス、そしてとくにオフィス部門における生産性の向上に対する圧力は、将来におけるコンピュータ部門への依存をますます大きくすることだけを意味しているのかもしれない。
確かに、膨大な受注在庫、需要の増大、着実に性能を強化するコンピュータ、オフィスや工場さらには家庭向けに期待される新技術の可能性、企業の適用業務拡大を正当化するインフレーション率などをみれば、すべての状況が販売担当者の夢を実現するもののようにみえる。
しかし、これでは、少し話がうますぎるのではないであろうか――まさにその通りである。輝かしい将来への展望にもかかわらず、現在多くの企業は、このすばらしい技術の利用に関して問題に直面している。
しかも、その問題は、極めて深刻なものであり、多くのコンピュータ専門技術者ばかりではなく、彼らを雇用する企業をも危険にさらす恐れがある。多くの企業で、コンピュータ利用は危機的な状況におかれている。技術そのものが十分なものとなっていない。企業は、現在コンピュータにかかわる厄介な問題群に取り囲まれており、これからも次々と困難な問題に直面するであろう。
その問題の解決は、経営管理の面に依存するところが大きく、一般にコンピュータ部門の管理を担当している管理者の思考の範囲を超えるものである。これらの問題を解決するためのカギは、企業内での情報資源の配置に関して、包括的な戦略を形成することである。この包括的な戦略の形成は、幹部経営管理者によってのみ行われうる性質のものである。しかし残念ながら、彼ら幹部経営管理者は、まだ問題を理解するに至っていない。
本稿で提示される結論の大部分は、過去3年間にわたる50社以上の大手や先進的なコンピュータ・ユーザーに関する私の経験に基づいている。そのコンピュータ・ユーザーの範囲は、米国、カナダ、ヨーロッパ、太平洋岸諸国に及んでいる。これらの企業のほとんどは、各業種で上位3社に入っており、コンピュータ予算の規模では、1000万~1億ドルの範囲に、ほぼすべての企業が含まれる。
最大の問題
コンピュータ・ユーザーは、現在、共通の問題や課題に直面している。以下のパラグラフで、この分野での将来を危うくする主要な問題を論じることにする。



