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経営とコンピュータとの関わりについては多くのことが論じられてきているが、そのなかから、EDP部門はどのような成長過程をたどるべきか、あるいはその成長の各段階に応じてどのような管理・運営を行なうべきかといった問題を解く鍵をみつけることは、ほとんど不可能である。本稿には、EDP部門の成長過程における転換点を正しく把握したり、いろいろの局面で必要もしくは有効な管理手法を開発し、あるいは避けることのできない人間的な問題を処理するうえで、簡単に活用することのできる区分のしかたが示されている。
人間的な問題が、ハードウェアやソフトウェアの問題と少なくとも同程度に、成長過程における諸問題を複雑なものにする。ハードウェアやソフトウェアに関わる問題は多くの文献でかなり論じられてきている。著者たちは、発展の4段階を経過する過程で、人間的な問題がどのように変容していくかを示している。
本稿は、初めてコンピュータを購入しようとしている若い企業に、とくに有益である。発展段階の後期のほうで苦闘している企業にとっては、問題が何かを把握し、EDPの成長を評価、統制するために有益なフレームワーク(枠組み)を提供する。
担当副社長の目からみれば、「EDPマネジャーは、予算を説明しなければならなくなるといつでも、くどくどしゃべり続ける」。EDPマネジャーの側からみれば、「担当副社長は、EDP部門がなぜ多額の資金を必要とするのか、理解しているとはとても考えられない」。
この種の手詰まり状態が生ずる理由は明らかである。つまり、現在企業で使われているようなEDPは、いくら言葉をついやしても、その統制どころか理解することさえ困難なほどに、複雑なものになっているのである。しかし、われわれは多くの企業についての研究を通じて、EDP部門がどのようにして成長していくのか、そして企業組織に適合するにはどのようにしなければならないのかという点について、一定の結論に到達することができた。この結論は、EDPマネジャーと彼が報告義務をもつ上級マネジャーとの間のコミュニケーションのための1つのフレームワークを与える。
すべてのEDP設備の成長の過程は、はっきりと4つの段階に区分される。各段階は、それぞれに特有の適用業務と、利便と障害、そして管理上の諸問題をもっている。EDP部門の進化の過程を、簡単な4つの段階に分けることによって、EDP部門の諸問題を秩序立てて処理することが可能になる。4つの段階に分ける場合、整然と体系づけられ、順序だてられた4つのまとまりに分けなくても、少なくとも込み入った問題を比較的小さな、順序だてられた4つの集まりに分ければよい。
この段階区分をするというフレームワークは、多数の企業のEDP予算を、初期投資から運用が成熟するまでの間で時系列的にプロットした場合、S字型のカーブを描くという発見を基礎としている(1)。このカーブは、本稿の各図にみられるものである。このカーブの変曲点は、EDP業務の一生における重要な出来事――危機である場合が多い――に対応している。その出来事は、コンピュータ資源の使い方や管理の仕方に重要な変化が生じていることを表わすものである。この変曲点は3つあり、したがって4つの段階に区分される。
われわれが知っている企業では、それぞれ業種も、EDP設備の使い方も異なっているにもかかわらず、1つの与えられた段階で発生する問題やその解決のために適用される管理手法には、著しい類似性がみられる。さらに、各段階はそれぞれに特有の、インフォーマルな組織の変化のプロセスを伴う。このプロセスは、各段階で問題を発生させることに重要な役割を担っているように思われる。しかもその問題は、危機を生ずることなく各段階を通過しようとする場合や、当該企業に最大の利益をもたらしうるようにEDP資源を管理しようとする場合には、必ず解決しなければならないものである。
本稿におけるわれわれの目的は、各段階の主要な特徴点をあげ、各段階で作用する組織の基本的影響力を説明しつつ、4つの段階の姿を順を追って明らかにすることである。
本稿の範囲では、各段階で生じるEDP管理の問題の主要なものについてだけしか触れることができない。したがって、われわれが提示する考え方は、かなり単純化されたものにならざるをえない。別の観点からの警告も十分に受け入れうるものである。歴史はまだ終わったわけではないし、われわれが明らかにするS字カーブと、それに対応すると考えられる諸段階が歴史のすべてを表わすとは考えていない。現時点での経験に基づくこのS字カーブの終わりには、さらに別のS字カーブがありうることに疑問の余地はないであろう。



