セグメンテーションは、われわれの手に負えない、こう生産財のマーケターが感じたとしても彼らを責めるわけにはゆかない。セグメンテーションの影響は生産財市場にも及んでいるが、このテーマについては、今までほとんど論じられていないだけでなく、分析さえもまだ消費財市場のようにすっきりとはされていない。問題は生産財市場のセグメンテーションには、どんな指標が最適か明確にすることである。

 本稿で著者たちが提唱しているのは積み重ね方式である。データを入手して使いものになる程度を判断するまでの調査に要する手間の多少によっていろいろな基準を色分けし、層別に積み上げたもので、評価のしやすい統計的指標の分野からとりかかれるように構成してある。それから順次、複雑な企業に関する指標、状況にかかわる要因、購買者の性格、といった基準へ進んでいく。

 しかし、この方法は料理の本のように、そのまま真似ればよいというものではない、と著者は注意を促している。それぞれの状況や環境に合わせて柔軟に当てはめなければならないのである。

 消費財市場のセグメンテーションが難しいとはいっても、生産財市場に比べれば、はるかにすっきりしているし容易である。生産財では同一製品が数多くの用途に当てられることが多いし、また反対に一つの用途にいくつもの異なった製品が使われることもある。顧客は千差万別で、その違いのなかのどれが重要で、どれがとるに足らないものなのかを見分けたうえで、マーケティング戦略を策定するのは難しい。

 生産財市場のセグメンテーションについては、今までほとんど研究がされてこなかった。例をあげれば、ジャーナル・オブ・マーケティング・リサーチ誌であるが、1978年8月号の特集、「マーケット・セグメンテーション研究」がとりあげた10編の論稿のなかに生産財市場のセグメンテーションをまともに扱ったものは1つもない。われわれが調べたところでは、ほとんどの生産財マーケターにとってセグメンテーションは結果を説明する方法であって、計画の手法にはなっていない。

 しかし、実際には生産財のセグメンテーションは、いろいろな分野で企業に貢献できるものなのである。

 市場の分析

 顧客の購買方法や購買動機にまでつっこんだ市場全体についての理解が深まる。

 基本となる市場の選択

 自社の力量に一番適した市場セグメントの選択が合理的にできる。