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製品サポートとは、もっとも簡単な場合には子ども用自転車を自分で組み立てるときに必要な使い捨てレンチもそうだし、複雑になれば保証計画・サービス契約・部品デポ、あるいは故障した機械を修理する間、代わりにローンで貸す機器といったものも、またそうである。こうしたものすべてが製品サポートを構成しており、すべては販売後に顧客に対して最高の使用価値を与えるためのものだ。
サポートの水準についての顧客の認知が高まり、期待が増加したこと、技術と特性の両方またはそのどちらかが優秀になったため、製品の差別化を認知する力が衰えたこと、サポート技術が向上したことなどのために、企業戦略における製品サポートの重要性は著しく大きくなった。
製品サポートに関する顧客の期待を明確にし、その期待にこたえるための費用のわりに効果の大きい戦略を策定することは、著者たちの主張によれば、成功するマーケティング行動の重要な一側面であるという。
顧客は物を購入するとき、単に物理的な品物を買うだけとは考えていないことが多い。つまり製品には、それに伴ってある程度、購入後のサポートのあることが期待されている。このサポートには、欠陥品を取り替えるという簡単なことから、製品の寿命が尽きるまで顧客のニーズにこたえることを目的とした複雑な手配に至るまで、実にさまざまなものがある。われわれの調査によれば、このようなサポートに対する期待を明確にすることと、期待にはっきりとこたえることが、マーケティング活動を成功に導くために重要である。一例をあげよう。
□ キャタピラー・トラクター社とジョン・ディーア社は、どちらもマーケティング戦略の基本を、すぐれた製品サポートを実施することに置いている。両社は過去25年以上にわたって、ディーラーのサービス能力の強化と部品供給能力の向上に力を注いできた。それを陰で支えてきたのは、強力なサービス陣と緊急パーツ発注システムである。また、機器の設計に際しては、信頼度と使いやすさを向上し、ダウンタイム(非稼動時間)を最小にできるようなものを目指してきた。この2つの会社は、製品サポートを組織の共同文化・価値の基礎としてきたのである(1)。この事実は、打撃的なストライキや景気後退や大規模な生産削減が行なわれても少しも変わらなかった。
□ オリベッティ社は、これまで15年間にわたってかなり投資をしたのに、遂にアメリカに根を下ろすことができなかったが、これは主として製品サポートがまずかったためである。同社は流通経路を選ぶのに手間どったため、ディーラーの士気を損なった。部品とサービス訓練におけるサポートには一貫性がなく、いつも貧弱だった。新製品に対して初め買い手が示した熱意も、説明書やユーザー訓練が十分でなかったため、次第に醒めていった。製品は価格競争にも負けない優秀なものであったが、結局、同社はアメリカの市場に地歩を固めることができなかったのである。
キャタピラー社とディーア社の例は、マーケティングの効率を高めるのに、サポートがいかに役立つかを示している。しかし製品サポートは、たいていの会社でまだ十分に活用されていないマーケティング資源であろう。マーケティングに影響を与えるようなサポート戦略を策定し、実施するのは容易なことではなく、管理者はどこから手をつけてよいのか分からないことが多い。
マーケティングに与える効果を最大にするためには、顧客のサポートに対する期待がどのようなものであり、それを測定するにはどうすればよいのかを、管理者は正しく知っていなければならない。それでこそ、現在ある市場を新しい立場から細分化するために、また場合によっては新しい市場を規定するためにもこの情報が活用できるのである。
サポート戦略を策定するために、管理者は効果と費用をトレードオフ関係に置くことが必要になる。われわれの研究結果によれば、このトレードオフはかなり複雑なことが多く、したがって慎重に判定しなければならない。管理者は、トレードオフそれぞれの性質をよく理解して、競合する代替案を選択するための適当な枠組みを作ることが必要である。
なぜサポートが失敗するか
たいていの人は、製品サポートを部品・サービス・保証という意味に理解している。市場成長過程の初期には、顧客はどちらかといえば技術や製品の特性を重視して、サポートの面では部品・サービスなど、ごくわずかな点にしか関心をもたない。市場が成熟してくると、顧客のニーズはもっと高度になってくる。そして製品サポートのなかには、販売後の顧客の満足度を最大にするのに役立つ一切のものが含まれるようになり、部品・サービス・保証のみならず、オペレーターの訓練・保守のための訓練・部品供給・信頼性工学・耐用性工学、さらには製品設計までがこれに加わってくる。



