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小規模企業の経営計画に関して、おびただしい数の書物や論文が著されているが、それらの多くは、この捉えどころのないテーマに対する自称最良の方法として自賛している。
経営計画に関するこの論稿では、著者はそのような主張をしていない。それどころか彼の主張では、小規模企業の経営幹部は非公式で文書化しない方法から公式で文書化した方法に至るまで、広範な方法をとりうるのである。そのなかで最良の方法は、経営管理スタイルや責任者能力、事業の複雑性のような変数しだいで決まる。
効果的な計画作成のためには、経営幹部は会社の強みと弱み、企業目的と個人目的、実行方法を評価しなければならない。著者の警告では、どんな公式的計画作成の方法にも、何らかのリスクはつきものである。
本稿の対象は中小企業――その多くは私企業――の最高経営幹部(CEO, Chief Executive Officer)である。だれしも自社の経営に当たって何らかの計画書をもっているに違いない。計画書が明示的な文書になっていない会社もある。そこではCEOの頭のなかに計画書があるだけなのである。一方、計画書が非常に精緻な形で作成されており、存在目的、それに至るまでの具体的な手順、その手順に見合う予算書を明示的な文書にしている会社もある。これが私のいう公式の計画作成なのである。
貴社にとって、どんな計画作成方法が最良なのだろうか。それはCEO(多くの場合にはオーナー経営者)の経営スタイルと能力、CEO以外の人の意思決定への参加の程度、事業の複雑性、その他これからの検討事項によって決まるのである。したがって本稿では単一の計画作成方法をきめつけた形で提示しようとは思わない。むしろ筆者が提示するいくつかのアイデアのなかから皆さんが取捨選択していただきたい。そのなかには、すでに皆さんがおやりになっていることを確認される部分もあるに違いない。
仕事とは何か
計画作成方法の公式性・明示性という尺度を使うと、最低の方法(オーナー兼CEOのアイデア)と最高の方法(存在目的、手順、予算書)のいずれも有効であるが、状況が異なると、いずれの方法もほとんど役に立たなくなったり、時には有害ですらある。筆者の実例をいくつかお目にかけよう(皆さんも類似の実例をご存じかもしれない)。
ある自社製品販売会社の社長は、かつては4000万ドルもの年間売上高をほこった、全額所有の専門品チェーン店を経営している。各店ごとの仕事のやり方と報告手続きは完全に文書化されている。現在の現金状況とその他の流動資金や流動負債についても同様である。
しかし商品政策や長期成長予測の報告書はいうに及ばず、本年度予算やキチンとしたキャッシュ・フロー予測を求めてもむだであろう。それらは、すべて彼の頭のなかに収まっている。
彼は主要な商品選択までも含めて、日常業務に関するすべての重要な意思決定を一手に引き受けているのである。
この、彼の仕事に対するかかわりあい方が、彼の本質的なスタイルなのである。



