マーケターは上位20%の給与所得者を狙え

 これまでマーケターたちは、中流階級と富裕層を巧みに取り込んできたが、そのレーダーがとらえ切れていないグループが存在する。それは、大金持ちとまではいかないが、全給与所得者の上位20%に属し、全米消費総額の40%近くを占める層である。

 このグループの年間世帯所得は平均約10万ドルであり、我々は「準富裕層」(almost rich)と呼んでいる。彼らは、着実に収入を増やしているのだ。我々の調査によると、過去10年間の賃金の上昇に合わせて、これら給与所得者の上位20%は、アメリカの支払給与総額の半分以上を手にしていることがわかった。

 ところがこのグループ、年収が増えている割には支出を渋っている(図1「準富裕層の所得と支出」を参照)。過去10年で、彼らの手取所得は49%増加したが、支出の増加は38%にとどまっている。

 このような高給取りにすれば、マス商品やマス・サービスはえてして魅力を欠くものだが、露骨でけばけばしい豪奢品には手が届かない。

 その結果、余剰所得がそっくり残されることになった。言い換えれば、マーケターが、所得の伸びと同じだけの支出を促していれば、アメリカ企業は2001年1年間だけでも1000億ドル以上の売上げを上げていたのである。

 とはいえ、すべてのカテゴリーで支出が伸び悩んでいるわけではなく、教育費と保険料の増加は、手取りの伸びを上回っている。しかし、それ以外のカテゴリー――食費、衣料費、娯楽費など――は、所得増の恩恵に浴していない(図2「支出が伸びていないカテゴリー」を参照)。