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情報群島を構成する各島々――オフィス・オートメーション、遠隔通信、データ処理――は、それぞれ異なった技術的発展を経てきており、その結果、全く別個のルールの下に置かれているのが一般的である。本稿において、マッケンニー、マクファーランの両氏は、マネジャーがこの群島の地図を作成し、各島々を統一的な統制の下に置くべき橋を架ける必要のあることを主張している。両氏は、組織構造やリーダーシップのとり方などの要因を考慮することによって、そうした手続きがスムーズなものとなることを指摘するとともに、進歩の障害となるものの典型的な例を示している。
□ ある大手耐久財メーカーのサービス担当副社長は、最近1つのジレンマに直面した。彼女の管轄下で急成長している販売部門の業務遂行上の諸問題を解決するためにスタンド・アローン型のワード・プロセッサーを要求したが、拒絶されたのである。この要求は重要ではなく、取るに足らないものと考えられたのである。しかしワード・プロセッサーがなければ遅れが生ずることが予想され、彼女はこの決定が危険な前例になると考えた。経理部門がワード・プロセッサーを拒否した理由は、当該事業部門の情報サービス・ネットワークに適合しないということであった。副社長がこの点について疑問を提示すると、彼女が現実に直面している生産性の問題とは関係のないような煩雑な技術上の論議がだらだらと続くこととなってしまった。副社長は、引きさがるべきであろうか、それとも決定を覆すべく闘うべきであろうか、あるいはこの要求を資本支出にかかわるものとしてではなく、経常費用にかかわるものとして再提起すべきなのであろうか。
□ ある大規模メーカーは、過去4年間の間に、本社データ処理センターの処理能力と人員を60%削減した。しかしこの同じ期間に、各事業部門ごとのデータ・センターが拡大し、全社のデータ処理費用は50%以上の増加をみた。
□ 分権化のすすんだある保険会社の上級職員は、慎重な分析の後に、2500万ドル相当の会社のデータ・センターを順次解体し、30ヵ月のうちにそれぞれの目的に応じたより小規模な8つのデータ・センターを創設することを提案した。
以上に示した実際の事例は例外的なものではない。多くの企業で過去10年間のうちに、技術的変化の影響をうけて情報サービス組織の構造は現実と適合しなくなり、抜本的な組織再編成を余儀なくされてきたし、また今後も余儀なくされるであろう。その理由としては、いくつかのものをあげることができる。
まず第1に、効率性と有効性との両面の理由から1980年代の情報サービスは、オフィス・オートメーション、遠隔通信(データ通信および音声通信)およびデータ処理をその内容としてもつことが必要となっている。しかもこの3者は、それぞれが有機的な連係を保つような形で、また多くの企業では一体化した形で運用されなければならない。これら3つの機能は、1960年代、70年代を通じてそれぞれ異なった技術基盤をもっていたばかりではなく、企業に対する販売はてんでんばらばらに行なわれていた。したがって、これに有機的連係を保たせることは、多くの企業にとって容易なことではない。それに加えて、この技術を利用すべくつくられた組織体系とその活動内容は、現在必要とされているものとは全く異なるものである。各技術それぞれに形成された管理運用の歴史と意思決定上の慣習が、今では統合を極めて困難なものにしているのである。
第2の理由は、ある組織にとって未経験の情報サービス技術は、すでに豊富な利用経験をもつ技術の場合とは異なる管理運営方法を必要とすることがますます明確になってきていることである。例えば、新しいオフィス・オートメーション技術によるプロジェクト実施上の問題は、成熟度の高い技術の場合とは全く異なっている。
第3に、データ資源とコンピュータのハードウェア資源を企業内のどの組織に帰属させるかを再検討することが必要である。過去10年間のうちに3つの技術分野すべてにおいて、ハードウェアのコスト・パフォーマンスのドラマチックな改善が行なわれ、その結果、組織に関する問題は1980年代においては1970年代初頭とは全く別の形で扱わなければならなくなっている。
ハードウェアのコスト・パフォーマンスの改善は、コンピュータの真空管利用から大規模集積回路利用への移行に伴って生じた。このような技術的変化は、より小さく、信頼性の高い、一層高度の機能をもつ集積回路が開発されるにつれて、絶えざる生産性の向上をもたらしている。表1は過去20年間における部品1点当たりのコストの動きを示したものであるが、今後10年間もこれと同じ傾向が続くであろう。このような技術変化によって引き起こされたコストの低下と性能の向上の結果、ほとんどの大規模なデータ処理施設において、コンピュータのハードウェアのコストはデータ処理部門の全コストの30%以下にまで低下している。




