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現在では多くの企業において、大規模な集中型データ処理部門は、すでに神秘的な知識を駆使する孤立した要塞としての姿を失っている。DP(Data Processing、データ処理)マネジャーは、安くて小さなコンピュータが組織中に広がり、コンピュータ応用技術を利用する機会が拡大するにつれて、自分たちの力が次第に失われていくのを目の当たりにしてきた。
著者によれば、この10年間にデータ処理の構造と意味はすっかり変わってしまっているが、彼の研究は、多くのマネジャーが依然として1970年代の様式に固執していることを明らかにしている。委員会制による経営は一般に悪い評価を与えられているが、コンピュータの場合には、管理運用委員会方式が、情報システムを経営戦略に適合させるための最も効果的な方法である。
「われわれは船を誤った方向に進めているのではないだろうか。これ以上、分散化を推し進めてはいけないのではなかろうか」
ここ数年、大企業の最高経営責任者は自社のデータ処理について、こうした疑問を問い続けてきている。その背後にあるのは、自社のコンピュータ組織が誤っているとか、自社のコンピュータ組織をもっと非集中化しなければならないといった考え方である。いずれの面においても彼らの直感は正しい。集中型DP(データ処理)活動の絶えざる増大は、その結果として、企業がコスト効果のすぐれた使い方をする機会を失うほどのDPサービスの規模と多様性をもたらした。このような複雑さに対して、マネジャーたちがその組織を壊して細分化し、非集中化を図るのは自然の成行きである。問題の核心は、非集中化を図るべきか否かということではなく、いつ、どのようにして非集中化を行なうかということにある。
DP組織の再編成の必要性が明白になったとき、その再編成を進めるための最も効果的なメカニズムは、管理運用委員会(the executive steering committee)である。私が調査した127社のうち85%が、全社的な管理運用委員会を機能させていた。このような状況は、この種の委員会をもつ企業が半数にも満たなかった1970年代中葉とは比べものにならないほどの大きな変化である。当時、ある別の調査における回答者は、自社で委員会方式をとっても多くの場合、上級経営管理者によって、その委員会は無力化されてしまうと答えている。
委員会を設立する方向に企業を導くのは、2つの力すなわち非集中化と戦略的選択である。
非集中化への動き
ビジネスでのコンピュータ利用の増大、また新しい適用分野を規定する際に欠かすことのできないユーザーの役割が、責任とコントロールの非集中化に向けての圧力を大きくしてきた要因である。
最近10年間におけるオフィスへのコンピュータの大量導入に続いて、ミニコンピュータやマイクロコンピュータの技術および通信技術の発展によって大規模なコンピュータ・ネットワークの構築が可能となり、その結果、地理的に離れた業務を相互に瞬時に結び付けることが可能となった。
事務計算向けの支出は、技術の進歩とあいまって劇的ともいうべき増加を示してきている。製造業1企業当たりの事務計算支出は、1970年の2500万ドルから1980年の9000万ドルに増加しているが、1970年にはこの2500万ドルの事務計算支出のすべてをコントロールしていたDPマネジャーは、1980年には、その支出額のわずか60%を直接コントロールしているにすぎない。このような状況は、統合され、かつ効率的に機能する全社的なコンピュータ・ネットワークの構築を困難ならしめる。
1970年代の後半には、生産性の問題を解決するべくコンピュータ利用の拡大がみられ、コンピュータのマネジメントに新たな複雑さが付加された。こうした発展を表わす指標は、製造業企業の技術計算費用が1970年の300万ドルから1980年の2400万ドルに増加したこと、プロセス・コントロール支出が同じく200万ドルから1500万ドルに増加したことにみることができる。後者は、CAD/CAM(コンピュータ援用デザインおよびコンピュータ援用生産)やロボット工学にその成果が現われている(より詳細については図1を参照)。



