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ソマリア派兵が残したもの
1992年12月、国連の平和維持活動の一環として、最初にソマリアに派遣された2万5000人以上のアメリカ兵が上陸した。
彼ら(平和維持軍)の任務は、安全の確保、窮乏した市民への食料供給、無法地帯と化したソマリアの鎮静化だった。当初、翌年1月にはその任務を終えてアメリカに帰還するはずだったが、任務の内容がソマリアにおける平和維持活動から抵抗勢力の捜査・せん滅へと変更になった。兵士たちは市街地に向かうこととなり、その結果、数千人が負傷兵となり、ソマリアに残留することになった。この悲惨な任務の顛末は、『ブラック ホーク ダウン』という書籍と映画に記された。
93年10月、精鋭部隊によるモハメッド・ファーラー・アイディード将軍と側近の捕獲作戦が失敗に終わり、18人のアメリカ兵が死亡した。理想に燃えてソマリアに渡った多くの兵士たちにとって、ひどく士気をくじかれる苦い経験となったに違いない。
精鋭部隊の落胆
研究者たちは、あいまいな任務に従事すること、および先の見えない戦況が続くことで、どのような影響が精神に及ぶのかを把握するために、ソマリアからの帰還兵たちを調査した。兵士たちは、これまで耐え忍んできた過酷な戦闘に恐怖心を感じてはいなかった。むしろ、彼らは軍隊で訓練されたとおりに任務を遂行できなかったことに落胆していたのだった。
兵士の多くは、交戦時におけるあいまいな規則にいらついていた。たとえば、武力行使の許可が下りた時、何らかの統制が敷かれることもほとんどなかった。彼らのなかに、「これでは市民を守ることは不可能だ」「あまりに役割が不明瞭だ」「こうも任務が頻繁に変わるとその意義への確信も薄らいできた」という感情が渦巻いていた。



