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コンフリクトの可能性が大きいにもかかわらず、多くの企業は、慣習的に、ジョイント・ベンチャーを利用し、しかもうまくいっている。しかし、この種の経営方法の利用増大にともない、ビジネス界のリーダーは、分担経営型にしろ、特定親会社支配型にしろ、さらに効率のよい方法を考慮しなければならなくなっている。
本稿で著者は、主として北アメリカや西ヨーロッパの企業を含む37のジョイント・ベンチャーの調査を引用しながら、経営者の事業の特殊なニーズにしたがって、経営へのアプローチを行なうことのできるいろいろな方法を探究している。
ジョイント・ベンチャーはどの程度のスピードで成長すべきなのか。ジョイント・ベンチャー経営の適否は何によって決定されるのか。これらの問題に答えることは、経営の柔軟性とともにベンチャー成功のために極めて重要なものである。
1960年代から1970年代の初めにかけて、多数のアメリカおよび海外の企業が、海底に横たわる大きな富の物語に刺激されて、それぞれ独自に鉱床を探査し、マンガン塊を海上に引き上げる技術を研究していた。1980年までに、これらすべての個別の努力は5つの大規模なベンチャーに集約された。このうちの4つは国際的なもので、U.S.スチール、インコ(INCO)、ロッキードおよびケネコットによって率いられていた。第5番目は純フランス資本であった。少なくともアメリカの1社はパートナー形式で行なうという考えに強く反対したが、関連する技術的、経済的および政治的リスクの観点からすれば、ジョイント・ベンチャーによるパートナーシップが事業を継続しうる唯一の方法であった。
これらの海底開発企業の例に見られるように、マネジャーたちは、ジョイント・ベンチャーの企画や経営について学ばなければならないことが多くあることに気づいていた。彼らは、ジョイント・ベンチャーを、あまりにも複雑かつあいまいで、融通がきかず、結局、時代遅れの方法として軽視してしまうことがしばしばある。しかし、プロジェクトの規模や技術開発コストが大型化し、失敗した場合のコストも単独で支えるにはあまりにも高価になるにつれて、多くの企業のマネジャーたちも、ジョイント・ベンチャーを受け入れ、この方式で事業を進めざるをえなくなった。加えて、インドやメキシコのような国家主義的な政府は、独立した企業子会社にかえてジョイント・ベンチャー方式をとるよう要求している。
しかしながら、ジョイント・ベンチャーの失敗率は全般的に高く、失敗した場合にパートナー企業がこうむる負担も非常に高い。ボストン・コンサルティング・グループが行なった調査によると、日本においては1972年から1976年なかばにかけて、90以上のベンチャーが失敗しているという。そのうちの多くは、エイビス社(Avis)、スターリング・ドラッグ社(Sterling Drug)、ゼネラル・ミルズ社(General Mills)、およびTRWといった著名なアメリカ企業が参加している大型ベンチャーであった。
また、ハーバード・ビジネス・スクールの研究でも、1967年以前に、アメリカ企業と他の先進国パートナーの間で設立された1100のジョイント・ベンチャーのサンプルのうち、30%は一方の親会社による戦略的、組織的な変更のために、不安定な状態に置かれたことが明らかになっている。
これらのベンチャーは、清算されるか、一方のパートナーによって吸収されたり、支配権がパートナーから他社に譲渡されたりしている(1)。
本稿の基礎となっている37の事例は、ジョイント・ベンチャーの成功率の低さをさらに裏付けるものである。すなわち、このうちの7つは破綻をきたし、5つは根本的な再編成が行なわれている。37のほとんどは北アメリカおよび西ヨーロッパの企業によって運営されており、いずれの場合も現地のパートナーが1社参加している。
筆者は本稿でジョイント・ベンチャーの困難の原因を分析するとともに、かならずしも全てのジョイント・ベンチャーが失敗に終わるわけではないことを示してみたい。いくつかのタイプの問題を回避、もしくは細心の注意を払って処理すれば、ジョイント・ベンチャーがうまくいく可能性は大きい。



