-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
株主利益と企業倫理はトレードオフである
アメリカ産業界が倫理問題に関心を寄せるようになったのは喜ばしい限りだが、かけ声ばかりで具体策に欠けている。2002年5月、ビジネス円卓会議(コーポレート・ガバナンスについて協議する任意団体)は、取締役や経営者に向けて「会社を、倫理ある態度をもって運営する」ことを説く声明を発表した。しかし、どのように実行すべきなのか、実践的な行動規範はほとんど示されなかった。事の核心は、取締役に課せられた2つの責任、すなわち株主利益の最大化と倫理的な行動との間に綱引きが起こることである。
とはいえ、これら2つの目標が自然に結びつくこともある。たとえばメルクのような企業が、経済的に貧しい国々に小売価格の数分の1で医薬品を提供すれば、世間の信用と顧客ロイヤルティが高まる。しかしこれら2つの目標は、少なくとも短期的には往々にして相反する。その場合、どうするのが正しいのだろうか。
そこで、ビジネス・リーダーが倫理問題にうまく対処できるようなディシジョン・ツリーを紹介しよう。このディシジョン・ツリーが提示する質問と解答は、企業として検討されるどのような行動にも応用可能である。開発途上国で事業を拡大する場合でも、自国で人員削減を行う場合でもかまわない。
ただし最低限、法律を理解することと、バリュー・ステートメント(価値基準や行動規範)を持っていることが必要となる。理想を言えば、正式な倫理綱領を定めるのが望ましい。
コンプライアンスを超えて
図「何が正しい行動か」を見てほしい。どのような行動が提案されても、何よりまずリーダーは「それは合法なのか」に思いをめぐらせなければならない。




