ゲームを販促に活用する自動車メーカーたち

 コンピュータ・ゲームが一大産業であることは、もはや周知の事柄であろう。事実、ソニーやエレクトロニック・アーツは、ゲーム・ソフトやゲーム機器の販売で売上げを大きく伸ばしている。

 しかし、ゲームの虜になっている大衆心理に訴えて、自社の戦略目標と組み合わせようと考える経営者が増えている。たとえばダイムラー・クライスラー(以下クライスラー)、コカ・コーラ、アメリカ陸軍では、マーケティング、教育研修、リクルートのツールとしてコンピュータ・ゲームを活用し始めている。

 そのROI(投資収益率)を正確に測定するのは時期尚早だが、これまでに得られたデータによれば、ゲームがツールとして有望であることが示されている。

 ある自動車メーカーは、簡単なオンライン・ゲームが自動車の強力な販促手段であることに気づいた。ジープは〈ラングラー・ルビコン〉を市場に投入する際、新型車にスポットを当てた販売ゲームのデモ版を自社サイトに立ち上げた。すると、初期注文の14%がゲーム登録者で占められていた。

 クライスラーは2002年、34~49歳の女性に向けて、ブランドの認知度を向上させようと旅行適性テストを導入した。"Get Up and Go"と名づけられたそのテストは、流行の「コスモクイズ」形式である。

 クライスラーとウィンダム・リゾートは、それぞれのメーリング・リストにeメールでゲームを配信し、各社のホームページ上に"Get Up and Go"へのリンクを張った。21問に回答すると、プレーヤーは各旅行タイプ(たとえば「ビーチ型」「都市型」など)に振り分けられ、各タイプにいちばんマッチするクライスラーの車種が示される。次いでプレーヤーは、友人を旅行適性テストへ誘うよう勧められる。