新生SECへの要望

 アーサー・レビットは、証券取引委員会(以下SEC)委員長職にあった1990年代、投資家たちの忌憚ない代弁者として、監査法人が会計監査とコンサルティングの2業務を提供する状況を改善し、これらを分離しようとした。

 しかし彼は、政治がらみとなったこの戦いにおいて、その志をまっとうできなかった。

 その後、会計スキャンダルが相次ぎ、ウィリアム・ドナルドソンが新委員長に就任した現在、ドナルドソンが直面するであろう難題について、レビットが考察する。

 HBR誌のベン・ガーソンとのインタビューで、彼は投資家の信頼を損なうことになった利益相反と、その信頼回復のために、SEC、金融業界、取締役会が対処すべき方策について語っている。

 なおレビットは、93年から2001年までSEC委員長の職にあり、『ウォール街の大罪』(日本経済新聞社、2003年)の著者でもある。

 以下は、彼の発言を抜粋・編集したものである。

HBR(以下色文字):SEC幹部が直面している、主要な課題は何であるとお考えでしょうか。