答えのない質問に答えさせる

「さあ、ロシアン・ルーレットをしましょう」。こんな具合で始まる面接がウォールストリートの投資銀行で流行っている。

「あなたは椅子に縛りつけられています。ここにピストルが1丁あります。薬室は6つ。中は空っぽです。私の手元を見てください。弾を2発、隣り合わせに入れました。シリンダーを閉めて回します。あなたの頭にピストルを当てて、引き金を引きます――。カチッ。大丈夫でした。それは運がよかった。さて、あなたのこれまでのキャリアを検討する前にもう1回引き金を引きますよ。しかし、その前にあなたにうかがいたいことがあります。シリンダーをもう一度回してから撃つか、それともこのまま撃つか、さて、どちらにしますか」

 幸いなことに、ピストルは本物でない。しかし悪いことに、この求職者がこの会社に入れるかどうかはその回答次第である。先のロシアン・ルーレットの質問(囲み「ロシアン・ルーレットの答え」を参照)は、相手を当惑させて、強烈なプレッシャーを与える面接の典型である。

ロシアン・ルーレットの答え

 弾倉の6つの薬室に弾が2発、すなわち空の薬室は6つのうち4つである。面接者がシリンダーを回して引き金を引くと6分の4、つまり3分の2の生存率となる。4つの空の薬室はすべて隣り合わせに並んでいる。

 最初の1発で死ななければ、4つある空の薬室の1つがあなたの命を救ったことになる。4つの空の薬室のうち3つの隣に弾は入っていない。

 しかし1つだけは、2発並んで弾の入った薬室の手前にある。つまり、シリンダーを回転させなければ、生き残る確率は4分の3というわけだ。

 3分の2より4分の3のほうが確率上はよいわけで、当然のことながら面接者にシリンダーを回させないのが正解である。

 この手の難問連発型の圧迫面接がコンピュータ業界からフォーチュン500、さらには法律事務所、銀行、コンサルティング会社、保険会社、航空会社、メディア企業、広告代理店、陸軍にまで広がりを見せている。