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米国企業が新製品を開発するだけの技術革新力に欠けているのではないかと産業界、政界首脳から浴びせられる批判の声は次第に高まってきている。問題はある意味では新製品開発コストの上昇にある(企業が諸コストの削減に努めているときだけになおさらである)。
だが、本稿の著者が指摘するごとく、メーカーが新製品アイデアを比較的容易にしかも割安に入手できる開発ソースとして、顧客が発案した製品というものがある。だが、そのやり方についてはほとんど知られていない。本稿では、利用価値のある新製品、製法を顧客に意欲的に生みださせるための諸戦略を提示している。
新製品創造法で最も効果的なのは何か。一般に、新製品開発プロセスでは、需要を発見し、製品を開発し、それを市場に送りだすメーカーが主役となっているかのように思われている。
だが、多くの業界において、現実にはメーカーよりもユーザーのほうが成功する新製品を開発することがしばしばである。そして、メーカーは伝統的な発想に背いてこうした製品を買収しているのが現実で、商品需要を的確に把握できないマーケティング・リサーチ戦略の欠如を露呈している。
本稿では、ユーザーが開発した価値ある製品を探索するために役立つマーケティング・リサーチ戦略の開発を、次のようなプロセスで始めている。(1)その種の手法に関する2つの事例を検討し、(2)顧客が新製品についての価値ある情報ソースになりうるための諸条件を確定し、(3)最後に、そうした新製品を探索し買収するための一般的手法を呈示している。
2つの方法
互いにきわめて異質の2企業(ひとつは消費財会社、他は産業財会社)の事例から、ユーザーの開発した製品を発見し、買収する現実的な2つの方法の概略を伝えてみたい。
コンピュータ・ソフトウェア
コンピュータ会社では、他のユーザーが価値あると思うようなソフトウェア・パッケージが、顧客の手で開発されることがあることを認めている。メーカーの中にはこの種の開発ソースを無視する会社もあり、また顧客のために利益にあまりつながらないソフトウェア情報交換サービスを、どちらかといえばほどほどに実施しているところもある。
だが、ごく少数の企業ではユーザーが開発したソフトウェア製品を探索し、価値を評価し、市場に送りだす方法を考案しており、結果的にこうした事業プロセスから利益をあげている。例えば、IBMにあるIUP(ユーザー開発装置計画部)は同社の中型、大型コンピュータで利用できるようなユーザー開発プログラムの買収活動を調整する組織である。
IUPでは、ユーザー自身、あるいはIBM営業部員を通じて社外で開発されている有望なプログラムの存在を探りだす。潜在市場性のあるプログラムについては社内の該当事業部門に委託し、その部門独自の基準に照らして評価してもらうのである。IBMでは特定プログラムについて販売権の獲得を決断すると、開発者との間で契約交渉(通常、開発経費の一時払いとなる)をする。



