エネルギー会社はグローバル化の経験が最も長い

 ダニエル・ヤーギンは長期的な展望に立って考える。エネルギー産業のコンサルティング会社ケンブリッジ・エネルギー研究所(CERA)の所長として、また著書『石油の世紀』のピューリッツァー賞受賞作家として、ヤーギンは地政学、グローバル化、エネルギー市場を鋭く観察してきた。

 世界経済における彼の予測は歴史に根差している。ジョセフ・スタニスローとの共著であるヤーギンの最新刊『市場対国家』は、第1次世界大戦から今日までグローバル化が描いてきた弧をたどるものだ。

 現在PBS放送(教育番組を提供する全米ネットの公共放送サービス)とイギリスBBC放送でテレビ・シリーズ化されている『市場対国家』は、市場経済の活力を示すと同時に、市場というものがいかに予測不能で、脆いものであるかを明らかにした。

 先頃ヤーギンは、HBRのガーディナー・モースとの対談で、グローバル化の未来、そして不確実性の時代を生き延びてきたエネルギー企業が学んできた教訓について語った。以下はその抜粋を編集したものである。

HBR(以下色文字):エネルギー関連企業はリスクを軽減することに、すこぶる慣れていると思います。彼らが学んできた教訓のなかで、他の業界の経営者たちの役に立ちそうなことは何ですか。