ウェブの安易な利用は調査結果を歪める

 社員たちのモチベーション、人事制度の実効性、人事スタッフの業績評価等々――。ウェブを用いた人事調査は、紙ベースの調査と並行して、あるいはこれに代替するものとして、その利用度が高まっている。

 しかし残念ながら、積極的に採用する企業のほとんどが、重大な問題点、すなわちウェブと質問用紙とでは、いかに質問内容が同じでも異なる回答が出てくることに気づいていないのだ。

 ただし、ウェブ・ベースの調査が信頼性に劣るというわけではない。適切に実施すれば、信頼性も高く、場合によっては紙ベースの調査よりも優れた結果が得られる。

 もちろん、実施方法がまずければ、大きく歪められた結果が導き出され、誤った判断が下され、そのために昇進の道が閉ざされる可能性さえある。実際、このような事態を招きかねないお粗末なウェブ・ベースの調査が数多く見受けられる。

 紙ベースの調査と比較してウェブ・ベースの調査は、「高得点が出やすい」「回答率が低い」「回答範囲が限られる」(「きわめて高い」「きわめて低い」といった回答が少ない)などの理由から、バイアスのかかった結果が導かれやすいことが知られている。

 ウォルト・ディズニー、EDS、ゼロックス、ファロン・クリニック、ゼネラルモーターズなど、大企業の社員調査の設計と実施、およびトラブル・シューティングといったサービスを提供してきた経験から、ウェブ・ベースの調査にまつわる問題点は、その一つひとつを具体的に特定すれば、十分修正可能であることがわかった。

つきまとう5つの問題点

 ウェブ・ベースの調査の実効性と信頼性を脅かしかねないものに、次の5項目がある。

(1)抵抗感

 ウェブ・ベースの調査の回答率は、紙ベースのそれと比較して80%も低い。概して回答に消極的である。社員たちは、以下に挙げるような理由からウェブ・ベースの調査に抵抗感を抱いている。

・調査にアクセスしにくい。

・画面上では、自由に次の質問に進んだり、前の質問に戻ったりできない。