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プロジェクトの費用対効果は正しく測定されていない
合法なものも、非合法なものも、帳簿を操作する方法は数多くある。
議会やSEC(証券取引委員会)、その他の規制機関の監視が厳しくなってきたせいで、非合法なやり方はあまり見られなくなっている。しかし、法に照らしても危険がないとは言わないが、経営幹部が業績に一ひねり加える方法はある。それは、大型の長期投資プロジェクトについて、楽観的な見通しを承認する、いやむしろ積極的に推奨するという方法である。
ここで話題にしているのは、新工場の建設、ITのアウトソーシング、原発廃炉といった大規模プロジェクトのことである。仮に工期が遅れたり、予算を大幅に上回ったりすれば、何年にもわたって収益を圧迫する類のものである。
問題は、ほとんどの企業のCFOが、プロジェクト・コストを2つの面からしか見ていない点にある。計画上のコスト(事前に予定されていたコスト)と実質上のコスト(実際に要したコスト)の2つである。
このような会計方法に従えば、もしプロジェクトに割り当てられた資金をすべて消化すれば予算どおり、もし使った金額が少なければ予算を下回り、使った金額が多ければ予算オーバーということになる。しかし、この方法には3番目の重要な要素、すなわち「達成された作業の価値」というものが欠けている。
例を挙げてみよう。総費用が10億ドル、期間5年の航空機開発プロジェクトをスタートさせたとする。前半の2年半分の見積もり予算は5億ドルだった。この数字は、プロジェクトの折り返し地点における投下労働量や資材の価値を反映している。
そして実際に2年半経った。ここまでにかかったコストが仮に4億5000万ドルだったとしよう。プロジェクト・マネジャーはこれを「予算内で進捗している」と言い張るだろう。しかし、工期が予定より遅れたため、実際には完了した作業の価値は4億ドルしかなかった。これはとても予算内とは見なされない。むしろ5000万ドルの予算オーバーと言うべきだろう。



