ユーモアの数と業績の高低は相関する

 上司の下手なジョークに顔を引きつらせた経験はだれにもあるはず。ジョークが笑えないだけなら上司にとって実害はないが、場合によってはリーダーシップを損なうことすらあるため要注意である。ユーモアのつもりだったのに、周囲に皮肉や悪意として受け止められれば、部下たちの心は間違いなく離れていく。

 逆に、気の利いたジョークならばどうだろう。40年以上にもわたる多方面からの研究で確認された点は、ユーモアを上手に使えば組織運営は円滑になるという至極当たり前の良識だった。良質のユーモアは、敵がい心を抑え、批判を逸らし、緊張感を緩め、士気を高揚させる。なおかつ、面と向かっては言いにくいメッセージを伝える一助にもなる。

 つまり、真にユーモアのセンスある経営幹部は業績も高いことになる。しかし、これまでユーモアと実績を結びつけて考えた者はいなかった。そこで私は、経営幹部たちのユーモアを客観的に測定し、彼らの業績の客観的な測定値と関連づけられるかどうか、試してみた。

 最初の調査は、大手飲料メーカーの20人の男性幹部を対象に実施した。被験者は、上司に「トップクラス」と評価される人たちと、「平均レベル」とされる人たち半数ずつの構成とした。それぞれ2、3時間の面接を行い、どのような資質が好業績につながるのかについて探ってみた。

 2人の審査員が別々に被験者一人ひとりの資質について評価する。ユーモラスな発言の回数を記録すると同時に、その内容が「ポジティブ」か、「ネガティブ」か、または「ニュートラル」であったかをマークする。

 ユーモアが、同僚、部下や上司の中傷に用いられた場合はネガティブ、反対意見や批判に角が立たないように利用された場合はポジティブ、単に面白おかしいことを言おうとしただけならばニュートラルとなる。

 トップクラスの幹部たちは1時間に17.8回のユーモラスな発言をし、これは平均レベルの幹部たちの7.5回に比べて2倍以上であった。また、トップクラスのユーモアはほとんどがポジティブかニュートラルかのどちらかだったが、ネガティブなユーモアも、平均レベルの幹部たちより頻繁に用いられた。