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アイデアを数多く孵化させたTED会議
クリス・アンダーソンは、物事がすんなりまとまることを嫌う。たいていの雇い主は、だれかを雇う際、組織の円満を重視し、他のチーム・メンバーと考え方が同じで、仲良くやっていける人物を採用しようとする。しかしアンダーソンは、それこそ組織が避けるべきことであると語る。
アンダーソンは、カリフォルニア州モントレーで毎年開催されるテクノロジー・エンタテインメント・デザイン会議(以下TED)の議長ならびに主催者である。彼に言わせれば、均質な労働力は画期的なアイデアを生み出す障害になりかねない。イノベーションを望むならば、逆の方向を目指してみることだと言う。人を雇う際には、多様性を求め、その差異に関連性を探るのである。
HBR誌のシニア・エディター、ブロンウィン・フライヤーによるインタビューのなかで、アンダーソンはTEDで生まれる知識交流やイノベーション、そして創造性の類は、企業でも生まれているはずだと語る。
HBR(以下色文字):TEDでは、どのような新しいアイデアやイノベーションが生まれましたか。
アンダーソン(以下略):1984年の第1回会議で〈マッキントッシュ〉のコンピュータやソニーのコンパクト・ディスクがアメリカ市場へのデビューを果たして以来、たくさんのものが生み出されてきました。
TEDに参加した人々の多くが、後に重要となるインスピレーションやネットワークを得た瞬間を挙げることでしょう。『ワイヤード』はここで資金援助を得ましたし、当時の私の新雑誌『ビジネス2.0』も、ある年のTEDでジェフ・べゾス(アマゾン・ドットコムのCEO)と交わした会話から誕生したのです。



