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破産法で救われた不正企業ワールドコム
アメリカ連邦破産法の歴史上、最も複雑にして、衆目を集めた企業再建の例として挙げられるのがワールドコムである。その再建計画が承認され、米連邦破産法第11章、いわゆる「チャプター・イレブン」による再建手続きを終え、いよいよ破産状態から抜け出そうとしている。
この破産法は一時的な苦境に陥っているとはいえ、堅実な企業の保護を目的としている。しかしながら、ワールドコムはその恩恵にあずかり、みずからが犯した罪から不当な利益を得ようとしている。
競争が最も激しい通信業界にあって、同社は低コストによる低価格政策を敢行し、世間をあっと言わせた存在だったが、これらは実は入念につくり上げられた虚構にすぎなかった。営業費用を過小報告するという不正処理により、120億ドル以上の損失を隠していたのだ。
このいかさま行為とその結果生じた複雑な問題を処理するためのコストは、業界全体にとって驚くほど高いものについた。
ワールドコムの低コスト体制と強引なプライシングに追随できなかったため、競合他社は何千人もの従業員を解雇することでコスト削減を迫られた。それでも、これらの企業はワールドコムが発表する利益率に遠く及ばず、各社とも苦戦を強いられた。
概算ながら、もしワールドコムがみずから発表した利益が得られる妥当な価格を設定していたならば、業界全体で400億ドルの売上げとそれに見合った利益が追加計上されていただろう。
また、同社の破産には数多くの訴訟が絡み、その費用もかさんだ。専門家に支払う手数料やチャプター・イレブンに関わる諸費用はおそらく何億ドルにも及んだはずだ。さらに、数字として記録されたものではないが、実質的にワールドコムのやり方が招いた混乱による損失もある。



