1920年代の金融危機が舞台

 1929年のウォール街の大暴落は、現代における株式市場崩壊の象徴として広く認識されている。しかし、その20年近く前、1907年に同様の劇的な暴落が起きていたことは、あまり知られていない。2008年の世界金融危機から20年の節目を前に、1世紀前の出来事と現在を比較せずにいられない。

 類似性を探し始めると、至るところに見えてくる。2020年代の私たちは、100年前に世界を席巻した勢いさながらに、右派ポピュリズム的保護主義の大波を経験している。先進国は経済移民の流入を食い止めようとしており、ナショナリズム感情が高まっている。1920年代もそうだった。当時、米国は長年維持してきた開放政策を転換した。

 1929年の大恐慌の前、いくつかの新興技術が伝統的な生計手段を脅かしていた。当時の「犯人」は工業化された農業と製造業だ。今日では同じ脅威をAIがもたらしている。