-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
非営利組織がそのブランド価値を測定する時代
人々から信用されているブランドは、いったいどれくらいの価値があるのだろうか。多くの企業にとってブランドは、最も価値ある無形資産といわれる。しかし非営利の世界では、ブランド価値への認識はいまだ十分とはいえない。
たとえば、アムネスティ・インターナショナル、国際赤十字社、グリーンピース、世界野生動物基金など、世界で最も信用されているブランドとも位置づけられる組織は、ブランディングに時間や金を費やすことも、そのネーム・バリューを大いに活用することもなかった。
状況は急速に変わりつつある。2003年、ハビタット[注]はニューヨークに本社を置くコンサルティング会社、インターブランドにブランドの価値評価を依頼した。ユナイテッド・ウェイとアメリカ癌学会がこれに追従した。
これらの慈善団体は、具体的な評価額がさまざまな利益を生み出し、とりわけ企業パートナーとブランド提携について交渉する際、より大きな影響力を行使するのではないかと期待しているのだ。
高いブランド価値は有利な条件を引き出す
ハビタットの2002年におけるブランド評価額は18億ドルであった。このとてつもなく高い評価は、世界的な慈善団体であるハビタットにすれば、思わぬ収穫となろう。
インターブランドが算出するブランドの金銭的価値は、ブランドが利益を生み出すうえでいかに重要であり、市場でどのような影響力を誇るのかを示すものだからである(囲み「ブランド価値の算出」を参照)。
ブランド価値の算出
インターブランドは、企業あるいは商品の売上げがそのブランド・ネームに貢献する割合を推定し、ブランド価値を評価する。ここにハビタットの評価価値の算出方法を紹介する。
2002年の全利益(企業からの現物寄付を含む)のうち、最終受益者の手に渡った利益の割合を求めると約80%であった。この数値からその後7年間の成長率を見積もってみた。
ハビタットの理事たちへのインタビューから、受益者の手に渡った利益の原動力となった要因を判断し、これらの要因へのハビタット・ブランドの貢献度を推測した。なお、これらの要因には、具体的な成果、寄付提供者の精神的な動機やハビタットが非課税団体であることが含まれる。
各要因の何%がブランドに起因するものかについて算出したところ、それは平均58%であった。この平均値を、ブランドに起因する将来キャッシュフローを算出する際、先に見積もった受益者の手に渡る利益の割合に乗じた。
次に、団体の安定性、市場におけるリーダーシップ、地理的および文化的な壁を越える国際水準での能力といった要因を評価し、一般的な営利企業の評価基準によってハビタットを評価した。
この評価には、ハビタットのブランド力を背景に、今後7年間に受益者の手に渡る利益のNPV(正味現在価値)を算出することを取り入れた。その結果が18億ドルのブランド価値である。
パワー・ブランドと提携するには寄付をいとわないパートナーの存在が感じられる。ハビタットの上層部は、このような高い評価があれば、このような企業を引き寄せることができるのではないかと認識しつつある。



