予算編成が成長と関係している?

「長期的な成長と繁栄に寄与する要因は何か」。この問題を考える時、予算編成のあり方について思い浮かべる人はまずいない。

 通常のボトムアップ型の予算編成、すなわち利益に焦点を絞り、短期的な数字を重視し、業績の評価や管理、報酬を厳しく掌握することは、むしろ企業の足を引っ張る要因の一つになっている。

 これは、致し方ないことなのだろうか。私が知るところの企業には、そうではない企業、つまり予算編成を成長マインドの導入と強化の手段として活用しているところがいくつかある。

 これらの企業では、人材、R&D、マーケティング、生産設備への投資が頻繁に変更された挙げ句、元も子もなくなるといった愚行が繰り返されることはない。すべての投資が、売上げやキャッシュフローの長期的な成長、株主価値の創造を推し進めるために生かされている。

 あなたの会社でも、予算編成を見直すことで、同様の効果を得られよう。しかしそれは根本的に考えを改めてこそ初めて可能になる。しかも多くの点で、大きな発想の転換を図る心構えがなければならない。

ローリング方式もまだ一般的でない

 まず予算編成は、将来に向けての第1段階にすぎないと考えるべきである。この意識を高めるために、一部の企業では、予算編成に「ローリング方式」を採用し、定期的、おそらく半年ごとに計画のリニューアルや延長を実施している。

 この方式を実施しながら、年次のスケジュールではなく、通常の業務サイクルに基づいて短期の計画を策定しているところもある。この方式は、トヨタ自動車など、日本企業ではごく普通に採用されているが、他の国でも積極的に導入されるべきだろう。