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成長戦略の選択ミス
成長戦略を立案するに当たって、何らかの選択肢は用意しているものだ。
ゼネラル・エレクトリック(GE)やシスコシステムズなどに倣って「買収こそ最善の道である」と考える企業もあれば、ウォルマート・ストアーズやデルのように「低価格・大量販売に打って出るべきだ」と考える企業もある。一方、「イノベーションこそ、大きな成功のチャンスをつかむ踏み台になる」と信じている企業もある。
ところが、昨今の成長戦略を見るにつけ、失敗に終わっているものがあまりに多い。たいていの企業が誤った道、つまり最終的に利益を生まない道を選んでしまっている。
企業買収の戦場には、成長戦略の残骸が山をなしている。メルクがメドコを買収した一件は記憶に新しい。1993年、巨大製薬会社のメルクはマネージド・ケア[注1](管理型医療)のうま味を我田引水しようと企てた。そこで、患者への処方薬の認証と給付のサービスを提供するメドコを買収した。
メドコを傘下に収めることで、さらに多くの処方薬がメドコから親会社であるメルクへと誘導される。理屈ではそうなるはずだった。ところが連邦政府は、このようなビジネス手法が患者の健康を脅かす結果になると主張した。こうしてメルクは2002年、メドコを売却せざるをえなくなった。
メルクのように、イノベーションが成敗を左右する分野でありながら厳格な規制に縛られている企業の場合、マネージド・ケア・ビジネス――これもまた価格統制されている――に手を出せば避けられない対立が生じるだろうことは予測の範囲内だった。



