新規事業の90%以上が失敗している

 成熟企業が成長を図ろうと、新規事業に参入する場合、その失敗率はいまだ成熟に至らない新興企業に比べてはるかに高い。これは数多くの調査によって裏づけられている。

 その失敗率は、ハーバード・ビジネススクール教授のクレイトン・クリステンセンの評価によれば90%以上、コーポレート・ストラテジー・ボードの調査ではほぼ99%だという。

 何が新規事業なのか、何がコア事業で何が周辺事業なのか、その成功要因は何かをはじめ、成功と失敗の定義はいかようにもできるが、成熟企業の失敗率が高いという結論は変わらない。

 そこでベンチャー・キャピタル業界では、「何匹ものカエルにキスしなければ、王子は見つからない」ということわざが好んで使われる。つまり、一つの成功を得るには100件の事業案を調査し、10件に投資しなければならないというのだ。

 しかし成熟企業は、あまりにもリスク・テイキングに消極的で、実際そのような企業文化にも、またそのためのインセンティブにも欠けている。実際、新規事業を担当するマネジャーもおよそ適材とはいえない人ばかりだ。

 ベンチャー・キャピタル業界やスリーエムのように、次々に新規事業を繰り出す企業のベスト・プラクティスをもっと真剣に学習すれば、成熟企業の失敗率は減少するかもしれない。