CRMからCMIへ

 だれが消費者の個人情報を管理するのか――。それをめぐって個人と企業は長年にわたって争ってきた。この議論に決着をつけるのが、実用化が期待されている新たなサービス・モデル、「CMI:顧客管理型インタラクション」(customer-managed interaction)かもしれない。

 CMIは消費者に勝利をもたらしたようだ。購買履歴、嗜好といった個人情報の管理を全面的に消費者に譲ったのである。

 しかし、同時に企業にもメリットをもたらしている。顧客をより深く理解するといっても、これまでのCRMでは単なる希望的観測にすぎなかったが、CMIによって、これが実現しつつある。

 MIS(経営情報システム)を研究するグループとジョージア大学、コーネル大学、クイーンズ大学、マイアミ大学のマーケティングを専門とする教授らは、36社のインターネットで提供するサービスについて、3年にわたって調査し、CMIのコンセプトをつくり上げた。

 実は、CMIのルーツはさらに過去にさかのぼる。ジョン・ヘーゲルとジェフリー・レイポートは1997年の『ハーバード・ビジネス・レビュー』に寄稿した論考のなかで顧客による情報管理について触れている[注1]。

CRMの問題点
CMIの恩恵

「群盲象を撫でる」の例えのごとく、CRMでは、ごく狭い視野からでしか事象をとらえ切れない。