鶏口となるも牛後となるなかれ

 ハーブ・バウムは、なぜ多くの企業がすぐさま他社の後を追いかけるのか、その理由を十分承知している。そして、彼はこのキャッチ・アップ戦略を是とはしていない。

 この姿勢は、彼がクエーカー・ステートのCEOであった1990年代も、そしてダイヤル――その年商13億ドルで、石鹸、洗剤、その他の家庭用品を製造する――CEOになった現在も変わらない。なお同社は、アリゾナ州スコッツデールを本拠地とし、2004年3月にドイツのヘンケル・グループに買収された。

 かつてのダイヤルは、競合商品にちょっと手を加え、いくばくか安くした商品を製造するような企業だったが、バウムは新商品開発のパイオニアへと変貌させつつある。ビタミンを配合した洗顔石鹸をはじめ、利益率の高い新商品を生み出し、売上げとキャッシュ・フローを改善させている。

 バウムを迎えて以来、ダイヤルはその出願特許数を2倍以上に増やし、末端の研究員から秘書までをも巻き込んだイノベーション・キャンペーンをスタートさせた。

イノベーションを組織の第一目標に掲げる

HBR(以下太字):あなたがダイヤルに参加した2000年の時点で、同社には88年以来、画期的な新商品がありませんでした。イノベーションに対するあなたの本気を、どのように社員たちに納得させたのでしょうか。

バウム(以下略):まず社員たちに、その仕事はR&Dだけではなく、イノベーションも含まれていることを理解させる必要がありました。