真の「伴走支援」を可能にする PMO人材をともに育てる

 社内育成が難しいのであれば、外部の専門知を活用するのが必然の選択となる。外部支援には、専門知見の提供や実務の補完など、さまざまな役割がある。一方、企業が継続的に変革を生み出すためには、個別課題を解決するだけでなく、変革を進める方法や能力を組織に残していく視点も必要になる。

 そこで、IMが重視しているのは、特定の機能だけに閉じることなく、顧客とともに変革全体を捉え、実装までを進めるアプローチである。

 第1の強みは、特定機能に閉じない、ゼネラリスト的な俯瞰力を持つ人材の育成環境だ。変革には、それぞれの領域における高度な専門知識が欠かせない。同時に、経営、業務、組織、IT、人材を横断して、それらの専門知をつなぐ人材も必要になる。

「IMでは、複数領域の変革案件を経験することで、変革全体を俯瞰する素養を育てています。だからこそ、少人数のチームで広範な論点をカバーできるのです」(佐藤氏)

 ただし、変革全体を俯瞰できる人材を、外部支援者だけが担い続けることが目的ではない。支援を通じて、顧客側のメンバーにも論点整理、意思決定、部門間調整の考え方を共有し、実践をともに経験することで、次の変革をみずから推進できる人材を育てていくことが重要になる。

 第2の強みは、顧客企業の「コンテキスト(文脈・歴史・組織文化)」を深く理解し続ける支援姿勢である。顧客側のメンバーが異動で入れ替わっても、IMの担当コンサルタントは変わらずに伴走し続ける。「この組織文化にはどういうアプローチが浸透しやすいか」などといった歴史的経緯や組織の機微を深く理解することで、結果的に10年以上という長期のパートナーシップにつながっているという。

 さらに第3の強みとして、研究開発領域における深い知見のクロスインダストリー(業界横断)展開がある。

「たとえば、製薬業界の研究開発は、高度なハイリスク・ハイリターンのマネジメントが求められます。当社はこの領域で創業期から経験を蓄積してきました。現在、自動車業界など他業界が『未知のリスク』を取らざるをえなくなっています。そうした際、製薬業界で培った高度なノウハウを横展開し、新たな意思決定のあり方を提示するなど、顧客企業の状況に応じて、こうした知見をともに活用していくことが重要だと考えています」(柳氏)

変革を「生み続ける」組織へ 「実装の型」を顧客企業に残す

 IMが担う「これからのPMO」とは何か。それは、支援を通じて、論点設計、意思決定の進め方、部門間調整、リスクの見極めといった変革を実装するための「型」を顧客企業の中に残すこと。すなわち「実装能力の組織への移転」である。

「我々の真の目的は、変革実装アーキテクトとしてのノウハウを定着させることです」(柳氏)

 PMOを単なるタスクの管理機能として置いておくことは、企業にとって大きな機会損失だ。プロジェクトが予定通り完了しても、そこで得られた知見や意思決定の方法が組織に残らなければ、次の変革でも同じ課題を繰り返すことになる。「システムを導入しても業務が変わらない」「PoCで成果が出ても全社展開に進まない」といった状況も、その一例である。

 戦略を成果へ、成果を業務や人材、意思決定の仕組みへと変換し、次の変革に再利用できる状態をつくる。この「変革の実装力」こそが、これからの競争優位を支える基盤となる(図表3参照)。

 最後に、変革の最前線で悩む経営層やビジネスリーダーに向けて、両氏はこうメッセージを送る。

「『変革活動は進んでいるが、現場の行動が変わっていない』など、現場でそうした成果の限定性や、継続性の欠如に対する『違和感』を感じ始めた時こそが見直しのタイミングです。我々は、実行フェーズだけでなく、課題をともに形成するディスカッションパートナーとして、助走期間からご一緒したいと考えています」(柳氏)

柳氏(左)と佐藤氏(右)は、変革活動の際に見直しや必要性を感じたときは気軽に相談してほしいと語る

「環境変化に合わせて会社組織をどう振り向けていけばいいのか。そうした必要性を感じた時、組織文化や一人ひとりのマインドを変えるためのパートナーとして、我々をご活用いただければと思います」(佐藤氏)

 IMは、その険しい道のりを顧客とともに歩み、試行錯誤を重ねながら、変革を実装する力を組織に根づかせていく。

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