マクロ経済分析や産業調査の知見を
戦略コンサルティングに融合
――不確実性が高まる時代の中で経営判断をするためには、それを支えてくれる存在が不可欠です。みずほ総合研究所は、2026年4月にみずほ銀行に統合され、リサーチ&コンサルティングを担う新組織となったそうですが、他のコンサルティングファームとは何が違い、企業経営者にどんな支援サービスを提供できるのでしょうか?
米倉 ご紹介の通り、みずほ総合研究所はみずほ銀行内の新組織として立ち上がったばかりですが、歴史を遡ると、「みずほ」として統合する前の旧・第一勧業銀行、旧・富士銀行、旧・日本興業銀行(以下、興銀)の時代から、数十年にわたってマクロ経済分析や産業調査、企業・官公庁向けのコンサルティングを行ってきた実績があります。
そのため、みずほ総合研究所の組織内にマクロ経済を見るエコノミストのほか、サステナやデジタル分野の専門コンサルタントに加え、100人の戦略コンサルタントが在籍しています。また銀行の組織として、産業調査を担当するアナリストもいる。マクロからミクロまでの調査分析を網羅し、その知見を連動したうえで戦略コンサルティングにまで落とし込める日本のファームは、おそらく我々くらいだという自負はあります。
米倉博史部長
慶應義塾大学経済学部卒業後、米ミシガン大学MBA。1998年に日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主計部、M&Aファイナンス、大企業RMなどを経て、2016年より産業調査部にてインフラ・モビリティ分野のアナリストや公共社会インフラ室長、アジア室長(サステナ・エネルギー・自動車・アジア財閥担当)を歴任。コーポレートインベストメントバンキング業務部(業務推進役・価値共創チーム兼務)を経て、2024年よりみずほリサーチ&テクノロジーズ戦略コンサルティング部長に就任。2026年4月より現職。
入山 それはすごいですね。日本にはコンサルティングファームが多くありますが、特にマクロ経済分析や深い産業調査を高いレベルで行っているところは、多くありません。
その点、みずほは、統合前から3つの銀行がそれぞれ調査部門を持ち、長年にわたって経済分析や産業調査を行ってきたので、知見の広さと深さは段違いのはずです。しかも、他のコンサルティングファームと違って、マクロからミクロまで緊密な連携が取れていると思うので、経営者がビジョンやストーリーをつくるうえでは、格好のパートナーといえるのではないでしょうか。
米倉 我々の強みは、アカデミアとの関係も非常に深いことです。たとえば、インフラ政策やサステナ規制、サプライチェーンなどといったテーマが出た場合、その道の権威の大学教授に教えを請い、マクロから俯瞰した戦略を立案することもあります。
入山 マクロからミクロへと落とし込むのは、とても重要なアプローチです。経営学では「センスメイキング理論」と呼ばれますが、経営者が意思決定をするうえでは、「全体観としてはこっちだよね」という方向性への“腹落ち感”が大切なんです。
いきなり各論に入ってしまうと、後で戦略が噛み合わなくなり、失敗してしまうもの。まずはマクロ環境や産業動向の全体観をつかみ、腹落ちしたうえで個別の戦略を立てるべきなのですが、一般のコンサルはそこが弱い。裏を返せば、それをできるのが、みずほ総合研究所の強さだといえるのではないでしょうか。
米倉 もう一つ挙げるとすれば、エコノミストとの連携や銀行をバックボーンとしているので金利や為替といった金融知見が深いことも、他のコンサルとの決定的な違いです。
戦略がうまくいくかどうかは、金利や為替の変化にも大きく影響されます。たとえば電力・エネルギー、海運や空運などといった企業では当該動向は経営戦略において重要な視点です。我々は先々の金融動向までお客様との議論を踏まえシナリオに織り込んだ立案支援ができるので、より確度の高い戦略が遂行できるようになるわけです。