サードエイジが身につけるべきは 「学ぶための学習スキル」

 ただし、サードエイジは「生きた経験」を持っているだけで自動的に価値を生むわけではありません。過去の成功体験や固定観念を手放し、好奇心と勇気を持って未知の領域に踏み込み、みずからをアップデートし続けるマインドセットが必要です。

 そこで求められるのが「メタスキル」です。メタスキルとは、単に特定のITツールを使いこなすといった短期的なハードスキルではありません。「新しい知識やスキルそのものを、いかに学び取るか」という「学ぶための学習スキル」であり、言わばすべてのスキルの基盤となる高次(メタ)な能力を指します。技術が目まぐるしく変化する時代では、特定の知識はすぐに古くなります。だからこそ、「私は何でも学ぶことができる」と自信を持って言える姿勢や能力が重要なのです。

ANNA MORI/2001年テイ・デイ・エス入社。グラフィックデザイナー、アートディレクターとして、企業のコミュニケーションデザインやプロダクト開発に携わる。NYでデザイン思考を学んだ後、2018年よりHyper Islandに留学し、デジタルマネジメント修士を取得。その後、Hyper Island Japanの立ち上げを推進し、現在は同校責任者を務める。Hyper Islandはスウェーデン発のビジネスクリエイティブスクールで、実践を重視した革新的な学習アプローチから「デジタルのハーバード大学」とも称される。現在は、デジタル人材育成、DX推進、組織変革、成熟人材のリパーパス領域を中心に、企業向けプログラムの開発・提供に取り組む。2025年取締役就任。

 メタスキルを身につける際、実はサードエイジは、若手に対して圧倒的なアドバンテージがあります。メタスキルの習得には、「みずから体験し、それを観察・内省(リフレクション)し、自分なりの概念に落とし込んで新たな行動を試す」という体験型の学習サイクルが非常に有効です。若手の場合、このサイクルを回すためには新たな体験を一から積まなければなりませんが、サードエイジはすでに豊かな「生きた経験」を持っています。これまでの経験から学び、「再認識」「再発見」「再活性化」という形で学習サイクルを高速で回転させることができます。これこそが、サードエイジが持つ強みなのです。