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「メンバーの才能を活かし、チームがうまくいけば、称賛されるのは私というわけです」
デズモンド・ツツは、公民権運動の象徴的な指導者として、マハトマ・ガンジーやマーティン・ルーサー・キング・ジュニアと並んで語られることも多い。もっとも79歳[注]になった南アフリカの元大主教は、自分が1984年にノーベル平和賞を受賞したのは、反アパルトヘイトの人物で姓が発音しやすい人を委員会が探していたからだと冗談を言う。
2011年春、英オックスフォードで開催されたスコール・ワールドフォーラム(社会起業のダボス会議)でツツは、「私は優れたキャプテンなのです」と語った。「メンバーの才能を活かし、チームがうまくいけば、称賛されるのは私というわけです」
HBR(以下太字):あなたは医師を志していましたが、教師になり、その後、聖職者になりました。ビジネスの道に進もうと考えたことはありませんか。
ツツ(以下略):ありません。向いていなかったでしょう。少しでもお金が入ると使ってしまいますから。それに私が育った南アフリカには「天井」がありました。黒人が本当に成功することは許されていなかったのです。黒人にできるビジネスといえば商店くらいで、白人が経営する大きな店に対抗できるはずもありませんでした。土俵そのものが完全に不平等で、わざわざ自分をいら立たせるようなことはしたくなかったのです。
アパルトヘイト(人種隔離政策)の克服には何十年もの時間がかかりました。その忍耐力は、どこから生まれたのですか。



