大阪帝大教授・淺田常三郎の薫陶を得た盛田昭夫は、家業と自分の可能性の板挟みとなっていた。そして時代は太平洋戦争へ突入。軍人になるのは不本意だったが、それでも研究を続けられる海軍技術将校への道を選ぶ。
しかしそこで、奇跡が待っていた。1945年3月、東京會舘で開催された戦時科学技術研究会の分科会で、人生を左右する井深大と出会う。
メカトロニクスという次の時代の技術潮流を読んでいた井深と、応用物理のおもしろさを知り、人生の目標を希求していた盛田は、初めて出会った瞬間から互いを惹きつけ合った。
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