敗戦間際の1945年。海軍技術中尉となった盛田昭夫は、戦時科学技術研究会で井深大と運命的な出会いを果たす。ともに冷静な観察眼と情報収集力を持つ2人は、日本の敗戦を正確に予期していた。
 終戦で、盛田は実家のある愛知県に戻り、井深は東京へ。当時の状況を考えれば、このまま別れ別れになっても不思議ではなかっただろう。しかし2人をつないだものは、いくつかの偶然とチャンスを察知する力だった。
 そこから歴史は動き出していく。