中国と西洋は共存しうるか

 上海市にあるいくつかの教会で、毎日、信者の礼拝が行われている。それは世界じゅうの教会のどこでも見られる光景だ。しかし中国天主教愛国会は、カトリックの大本山であるローマ・カトリック教会の後援で運営されているのではない。中国政府はそれを禁じている。愛国会を監督しているのは、国家機関である国家宗教事務局である。

 中国政府は、教会であろうが企業であろうが、このように外国の組織に対処する。中国において外国の組織は、許可されてはいるとはいえ、国家の監視下でしか活動できない。中国に価値をもたらすアイデアであれば、外国から持ち込めるが、組織の活動や運営となると、中国が目指すところによって厳しく制限される。

 その組織に価値があると認めた場合、あるいは逆に危険な存在であると認めた場合には、政府は支配しやすい混成型組織をつくる。外国人にとっては驚きを感じずにはいられないが、新生中国に果敢に挑む外国人たちは、このやり方にあえて従っている。