情報公開により
市場の効率性が高まる

 2012年に筆者たちは、ホワイトハウス主催の情報公開政策サミットに協力者として参画した。主催者側は事前に、60を超える政府機関の合計300人以上の参加予定者に、予備資料を配付した。

 資料の冒頭ではまずサミットの告知を行い、それに続いて、昼食には特に要望がない限り、ヘルシー・メニューを提供すると伝えた。中段では「ヘルシー・メニューの中身は、グルテン抜きのそば粉パンを用いた豆もやしとソイ・チーズ(大豆を原料とした食品)のサンドイッチなどです」と説明を添えた。そして末尾には、「全面開示」という題名でeメールを送ってくれた人には「特別な謝礼」を提供する旨を記した。

 参加者の優に80%は、魅力的とは言いがたいヘルシー・メニューを避ける手順を怠り、また「特別な謝礼」を手にした人はわずか1%だった。サミット当日の朝、「大半の方が昼食にソイ・チーズ・サンドイッチを『選択』なさいました」と告げると、参加者の間からは歯ぎしりが聞こえてきた。