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2008年の金融危機がもたらした影響
2008年の金融危機は、国境を超えたビジネスに大きな打撃を与えた。2009年の国際貿易額は9%もの下落が予測されたのである。また、海外直接投資はさらに低調で、2008年に15%、2009年には40%以上減少した。
不況は底を打った感もあるが、中期的な展望は明るくはない。今後10年間は概して、世界的な低成長、過剰生産能力による圧力、失業率の高止まり、金融市場の不安定さ、資本コストの上昇、政府の役割の拡大、規制や課税負担の増大、さらには保護主義の高まりが見込まれる。一部の専門家が懸念するように第2の危機が来れば、これらはいずれも悪化するだろう。
言うまでもなく、グローバル企業は今後10年間の戦略にこうした動きを織り込まなければならない。コストを切り詰め、自国市場を重視する企業もあるだろう。この現象はすでに始まっているようだ。