21世紀はビジネスモデル大戦の時代

 現在のビジネスモデルの世界は、グーグルやフェイスブック、アップルなどに代表されるように、巨人たちの戦いが繰り広げられているのが現状だ。一方で、インターネットやクラウドの普及により、「小さき者」たちがビジネスを立ち上げやすい環境にある。

 たとえば、クラゲ用の卓上水槽のビジネスを立ち上げたアメリカのアレックス・アンドン氏。クラゲ好きが高じて卓上水槽の開発を考え試作品も作ったが、量産・拡販の資金がない。そこでクラウドファンディングKickstarterで資金を募ったところ、目標額の3000ドルを大きく超える16万ドルを集め、商品化に成功した。

 現代は、ビジネスのサービス化とオープン化が進んでいる。簡単にいえば、選択肢の幅が無限に広がっているということだ。現代の経営はこの自由度との戦いといえる。さまざまな選択肢を組み合わせて、試行錯誤しながら新たなビジネスモデルをつくり上げていくことが、経営戦略として求められている。

 第1部の最後に三谷教授は、イノベーション時代の個人に求められることとして、「突破力のある個の力が必要。具体的には、発想力と決める力、伝える力といったスキルと、失敗してもめげないメンタリティなどが重要になってくるでしょう」と解説した。