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他社で生まれた革新的な経営手法をどう活用するか
新たな経営手法はどこからやって来るのだろうか。純粋に学者やコンサルタントの頭脳が生み出すものも多少はあるだろう。しかし圧倒的多数は、企業幹部が新たなアイデアを自社で実験することから生み出される。その代表例が、オンライン小売業のザッポスだ。同社は従来型のヒエラルキーを解消し、自己組織化の「オペレーション・システム」、いわゆるホラクラシー(小さなチームや全体に権限を分散させることで組織を統治するシステム)を導入した。
ザッポスの実験は大いに注目を集めている。過去の多くの革新的な経営手法と同じく、ホラクラシーには時代精神を反映した胸の躍るような魅力がある。少なくとも他社の一部の幹部らが、イノベーションを求める圧力や社員の気質の変化をかんがみて、はたしてホラクラシーは現状にふさわしい経営アイデアなのだろうかと自問していることは間違いない。ホラクラシーは自社に競争上の強みをもたらすのだろうか。導入しようとした場合、どのようなリスクがあるのだろうか。
企業幹部は何十年も前から、革新的な経営手法が登場するたびに同じような検討を繰り返してきた。画期的な新しいアイデアは、企業の業績を過去にないレベルまで引き上げる可能性を秘め、実際にそれが実現したケースも珍しくない。たとえばシックス・シグマやリーン生産方式は経営陣に刺激を与え、品質向上やコスト削減を実現する力になった。