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顧客体験のすべてを管理する
数々のメリット
たとえば、ある商品に対する問い合わせなど、日常的なサービス活動で発生する出来事について、企業と顧客の両方の視点で考えてみよう。企業の側には、その商品に関する電話が何百万件もかかってくるかもしれず、その一つひとつに適切に対応しなければならない。しかし、顧客になぜ電話をかけたのかを数カ月後に聞いてみると、単なる「商品についての質問」だったという答えはけっして返ってこない。顧客が電話した背景を理解することが重要だ。
転居しても同じサービスが受けられるのかどうかを確認したい顧客もいれば、契約満了時の更新オプションを知りたい顧客、頻発する技術的な問題を解決したい顧客もいるだろう。顧客との関係を最初から最後まで管理しようとするならば、個々の電話対応でベストを尽くすだけではなく、問い合わせの背景を理解し、根本原因に対処し、その電話をきっかけにして上流・下流でのやり取りを持続的に改善するフィードバック・サイクルの構築を目指さなければならない。
カスタマー・ジャーニーに関する我々の調査とコンサルティング経験から言えるのは、顧客体験全体を巧みに管理できる企業には多大なメリットがあるということだ。たとえば、顧客満足度の向上、解約率の低下、収益の増大、そして従業員満足度の向上などである。こうした企業は、異なる部門や職位間のより効率的なコラボレーションの方法や、全社的に成果を生み出すプロセスも発見することができる。