筆者らは1984年、大野耐一にインタビューし、トヨタ生産方式が生まれてきた経緯、この生産システムの目的について聞いた。大野はそのインタビューのなかで、豊田喜一郎が唱道したジャスト・イン・タイムの考え方からかんばん方式が生まれるまでのエピソードについて語っている。特に豊田紡織時代の原体験が生産システム改革のアイデアとなり、ここに豊田佐吉と喜一郎の思想を反映させたこと、戦後の混乱期のなかで業務の標準化に取り組み、また生産の平準化を試みていたことなどが注目される。
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